地震予知研究協議会企画部準備会(第5回)議事概要(案)
日時:平成11年12月8日(木)
場所:東京大学地震研究所 第2会議室
出席者:平田 直(委員長)、本谷 義信、松澤 暢、岩崎 貴哉、菊地 正幸、
山岡 耕春、梅田 康弘、清水 洋(以上委員)、大形 尚子(事務局)
欠席者:加藤 照之
1.報告
(1)予知研究協議会の活動の広報について
・日本地震学会のニュースレターに平成11年度計画を掲載した
・ホームページの準備ができてきた
(2)平成12年度の企画部の体制について
・企画部の体制について、流動的ポスト(助教授人事)、客員教授ポストの選考状況について報告があった
(3)平成11年度2次補正予算について:現在作業が進行中である
2.議事
(1)予知研究協議会の活動の広報について
・ 準備中のホームページは、アドレスを協議会メンバーに教え、内容を見てもらい意見を貰ってから公開する。1月7日の協議会で承認を得る。
・ホームページに、協議会メンバー、協議会規則を掲載する
(2)平成12年度の企画部の体制について
・企画部内規(案)を協議会で提案する予定。主に構成(専任、兼任教官の数)、任務を書
く。菊地委員が原案を作り、議論する。
・企画部の構成については、専任教官4名(うち流動教官1名)、客員教官1名の5名。
・ 企画部拡大会議(企画部委員と推進部会長)を、平成11年度の企画部準備会程度
の頻度で開催し、計画立案にあたる。これは、かって、「計画立案委員会」と言われ
て議論されていたことがある。
(3)平成11年度計画の進捗状況の把握の方法
これまでは、年度末(実際には次年度の5月ころ)に、年次報告(大学別と分野別)をまとめていた。
・ 平成11年度計画のアンケートと同じように、各機関ごとに実施報告を出してもらい、それをデータとして部会が話し合い、まとめる。アンケートは、課題ごとで、1枚程度の図も含める。これを綴じて、これまでの年次報告(大学別)にする。
・アンケートの結果に基づき、各計画推進部会がまとめをつくる。必要に応じて、ヒヤリングをし、11年度計画の報告として、実施内容が、実施関係者以外にも読んで分かるようにまとめる。
・その際、計画部会が高い順位を付けたものは責任を持って提出する。
<今後のスケジュール>
1月7日協議会で提案、協議会後にアンケート開催予定を知らせる、
1月アンケート文案作成、
2月アンケートをとり、2月末に締め切る。
3月中にまとめ、部会に結果を報告する。
4月くらいまでに各計画部会ごとに公表する。
(4)平成12年度計画と平成13年度の概算要求事項の策定方法
・各機関から提出された計画を基に、各計画推進部会が議論した。その報告に基づいて、以下のような方針で計画を策定。各部会は、平成12年度の計画をまとめ、主要課題を挙げた報告をkikakuHQに12月中に報告する。
・平成13年度の概算要求事項は、各部会毎の計画全体のまとめと重点課題を報告して、各機関毎に、企画部として計画・概算要求事項を提案する。
・各部会は、補正予算があった場合のことも考えて特別設備費の要求も項目にあげる必要がある
1、 定常広域
柱立ては平成11年度と同様に、以下の3つとする。
(1)プレート境界域の地殻活動及び構造不均質に関する研究
(2)プレート内部の地殻活動・構造不均質に関する研究
(3)地震発生の繰り返しの規則性と複雑性の解明
「台湾」、「トルコ」関連の計画を国内研究とは別立てにして、4つ目の項目としてを海外研究計画を作る項目を作って、その中にまとめた。
(4)海外における観測研究の推進
(1) の重点研究対象地域は、「三陸」、(2)は、北海道(自然地震、電磁気)(3)の重点項目は、「活断層のずれの量の空間分布の解明」
ただし、提出され計画はすべて削らずに挙げ、「事業費」以外で実施することも含め、各研究グループで実行することは推奨する。(1)の課題については, 東北大学の課題で、「準備過程」として提出されているもの組み換えることを検討する。
2、 準備過程
平成11年度と同様の次の3つの項目を取り上げる。
(1) プレート間カップリングの時間変化の解明
(2) 地震多発域へのローディング機構の解明
(3) 断層周辺の微細構造と地殻流体の挙動の解明
ただし、(1)については、「定常・広域」として分類されている項目の計画をこの計画として実施するように検討する。具体的には、「三陸沖」のプレート間カップリングに関する研究。
・ 研究対象地域が多すぎるので、計画を良く検討して絞り込む。ただし、長期にわたる研究が必要であるから複数の地域で同時に研究することが重要であるとの意見がでた。
・ 計画推進部会の委員に各課題担当者をつくり、計画を改定し、実施状況の把握、成果の報告までを一貫してフォローする体制を作る。これは、「定常・広域」部会も同じ。その一環として、必要に応じて計画推進部会が直接大学にいって話しを聞く
3.直前過程
(1) 震源核の定量的モデリング
(2) 前駆的電磁気現象の解明
(3) 震源核検出の手法の開発
について提案する
・ 比較的近いうちに起きる地震「南海トラフ」「伊豆半島」「北海道弟子屈」を総合的に観測。
・ 起きる地震がはっきりしているものは「直前過程」にいれ、緊張感を持ちデータ観測をすることが重要であるとの指摘があった。
4.強震動
平成11年度に引き続き、次の2項目を実施する
(1) 伊東テストフィールドの構造予備調査と強震観測
(2) 直下型地震の地震環境評価
13年度は伊東、もしくは国府津−松田での構造探査実験を行う。「定常・広域」の計画と調整して実施する。
5.地殻活動監視システム
地下水観測研究…新しい観測システムは平成11年度に予算が認められて、稼動が始まる。
地殻変動データ変換装置…データ流通委員会にて協議中。
6.地殻活動シミュレーション
12、13年度東大理から提案あり。大規模なプロジェクトが動いており、大学では要素を造る。シュミレーション手法の実績はあまり無く、数値モデルがない。
平成13年度は東大理に概算要求を出してもらうようにする。
・件数は少ないが重要視する。
7.観測技術
・音響結合による海底地殻変動計測技術に重点を置く。
・深部ボアホール(0107)は観測技術に入ると思うが準備過程に入っている。
・定常、準備に入っていてもある程度開発が進んだら地震予知の他のプロジェクトとジョイントして進めることが重要。
・目的があるものは準備過程にはいるが、2面性があり観測技術にも入れるべきでは?
(5)その他
次回企画部:3月上旬予定