3.5.3 活断層-震源断層システム

内陸地震の長期評価や発生メカニズムを理解するには,地震発生層底部から表層に至る一つのシステムとして活断層-震源断層を理解する必要がある.このため,当センターでは地殻スケールから極浅層に至る反射法地震探査による活断層の地下構造の解明に主眼をおいた研究を,全国の研究者と共同で進めている.2016年度には受託研究「日本海地震・津波調査プロジェクト」・「「都市の脆弱性が引き起こす激甚災害軽減化プロジェクト:①首都直下地震」・「地震および火山噴火予知のための観測研究計画」の一環として,鳥取県倉吉から大和海盆南縁に至る区間と、金沢平野周辺の森本-富樫断層帯において,岩手大学・愛知教育大学などと共同で,海陸統合地殻構造探査、高分解能反射法地震探査を実施した.断層の地下形状が明らかになった。

全国規模での日本列島の震源断層のモデル化は,島弧地殻の変形プロセス,内陸地震の長期予測,強震動予測においても重要であり,2010 年から全国の研究者と共同で,地質・変動地形・重力や地震活動などの地球物理学データに基づいた総合的な日本列島の震源断層のマッピングプロジェクトを進めている.2016年度は九州・関東周辺の震源断層モデルを作成した.