3.5.11 2015年ネパール・ゴルカ地震 (Mw 7.9)

2015年4月25日に発生したネパール・ゴルカ地震(Mw7.9)は、インド-オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界で発生した逆断層型の地震である。ゴルカ地震の震源断層の形状を明らかにすることは、衝突帯のテクトニクスを理解する上で重要である。そこで、2015年以降、トリブバン大学、ネパール科学技術院、山形大学との共同研究を進めている。2017年は、カトマンズ周辺地域における稠密余震観測計画を進めるとともに、2016年度にゴルカ地震余震域の中央部から最大余震の震源を含む余震域東部にかけての地域に設置した69カ所の観測点と余震域西部に位置する本震の震源近傍に設置した11カ所の観測点で取得したデータの解析を進めた。観測は2017年1月16日から実施し、各観測点では、固有周波数4.5 Hz の地震計によって上下動及び水平動の3成分観測を行った。収録は、Geospace社製の独立型レコーダであるGSX-3を用い、サンプリング周波数を250Hzに設定して、約2ヶ月間の連続収録ができる仕様で実施した。取得した連続記録に、STA/LTAトリガー方式によるイベント検出を実施したところ、763個のイベントが検出できた。現在、イベントデータに対してP波・S波の手動検測を行なっている。今後、トモグラフィー解析を実施し,詳細な余震分布や震源域の地震波速度構造を明らかにする予定である。