3.5.14 首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト:サブプロジェクト(b) 「官民連携による超高密度地震動観測データの収集・整備」

2017年4月から「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」が開始された。このプロジェクトは、3つのサブプロジェクトからなり、その中のサブプロジェクト(b) 「官民連携による超高密度地震動観測データの収集・整備」の一部を地震研究所で担当している。これまでに解明を進めてきた首都圏の地震像の精緻化や都市の詳細な地震被害評価に資するものにするため、政府関係機関が保有する、首都圏に整備された稠密かつ高精度な地震観測網(MeSO-net)と全国規模の地震観測網(K-NET、Hi-net等)により得られるリアルタイムの観測データ、民間が保有する地震観測データを統合した超高密度地震動観測データを収集・整備することを目標としている。

具体的には、MeSO-netを安定的に運用し、そこから収集する高密度な地震観測データに加えて、基盤的地震観測網および民間企業等により設置された計測機器から得られる大量かつ様々な品質の地震データを有機的に統合するマルチデータインテグレーションシステムを開発する。その中で、首都圏の地震ハザード評価に資するため、首都圏中心部や伊豆地域における詳細な地下構造の提案、首都圏における過去~現在の地震像の解明、将来の大地震による揺れの予測手法の開発、統合された地震観測データを用いてノイズレベルの高い首都圏でも適用可能な自動震源決定手法の高度化、歴史地震による揺れの分布の再現、3 次元階層化地震活動予測モデルを開発等の研究を開始した。