3.5.3 活断層-震源断層システム

 内陸地震の長期評価や発生メカニズムを理解するには,地震発生層底部から表層に至る一つのシステムとして活断層-震源断層を理解する必要がある.このため,当センターでは地殻スケールから極浅層に至る反射法地震探査による活断層の地下構造の解明に主眼をおいた研究を,全国の研究者と共同で進めている.2018年度には受託研究「日本海地震・津波調査プロジェクト」・「富士川河口断層帯の重点的な調査観測」・「断層帯深部形状の評価に関する活断層調査研究」の一環として,奥尻海盆から函館平野に至る区間と、樺戸山地東縁、駿河湾、中央構造線活断層系(四国地域)において,岩手大学などと共同で,海陸統合地殻構造探査,高分解能反射法地震探査を実施し,断層の地下形状が明らかになった.

 全国規模での日本列島の震源断層のモデル化は,島弧地殻の変形プロセス,内陸地震の長期予測,強震動予測においても重要であり,2010 年から全国の研究者と共同で,地質・変動地形・重力や地震活動などの地球物理学データに基づいた総合的な日本列島の震源断層のマッピングプロジェクトを進めている.2018年度は北海道周辺の震源断層モデルを作成した.