3.12.4 高密度強震観測データベース

(1) 首都圏強震動総合ネットワークSK-net の構築と運用

首都圏強震動総合ネットワーク(SK-net)は,首都圏の10 都県の14 観測網から,合計1064 観測点(図3.12.4)の強震波形データを収集し,公開するシステムである.これらの観測網のデータ収集方式やフォーマットはそれぞれ異なるので,一旦共通フォーマットに変換してデータベース化し,加速度,速度,変位のグラフおよび最大値,SI (Spectral Intensity) 値,速度応答スペクトルを SK-netウェブサイトで一般に公開している.オリジナルの波形データは,全国の大学等の研究者の利用を可能にしており,2018年度は43名の利用申請を受け付けた.データは,1999年1月から2019年3月までに収集されたデータを順次利用可能にしている.

自治体の震度計の更新により収集システムも更新が必要となり,5自治体については,新しい波形収集装置を開発してオンライン収集を継続し,残りの県についてもオフラインもしくは自治体側で用意したサイトでデータ提供して頂いている.

東北地方太平洋沖地震については,本震や余震の波形データ量が膨大なため,一部の県でオンライン収集が困難な事態が発生した.現地の震度計からのデータ回収を実施してデータベースに格納した結果,786の観測点からの波形データがホームページで公開されている.