4.2.2 国際室の運営と業務

国際室は教授5名,准教授4名,オブザーバー(所長,事務長,副事務長,人事及び研究協力担当)及び業務スタッフ(特任専門職員2名,技術補佐員1名)で構成され,ほぼ毎月定例の国際室会議を開催して運営にあたっている.共同利用担当など事務部と連携して,海外からの研究者招聘(長期・短期)業務に加え,地震研に滞在する研究者・留学生の招聘に関する手続き支援,学術協定締結・更新業務,協定に基づく共同研究や全学主催の行事への派遣,ワークショップ・サマースクール開催に関する業務を行っている.育成室・広報アウトリーチ室と協力し,国際学会でのブース展示をここ数年実施している.

4.2.2-1 招聘事業

外国人研究員の招聘事業は, 3ヶ月以上の長期招聘(特任教授・准教授などの教員級と若手のPD級)と3ヶ月未満の短期招聘との2種類で構成されている.長期招聘研究員については,地震研ホームページで公募し,パンフレットを作成して国際学会で配布したりなど広く呼びかけており,平成29(2017)年度22名,平成30年度32名,平成31年度42名,令和2(2020)年度34名の応募があった.短期招聘については,地震研の教員による推薦として所内公募を行っている.これらの応募者について,国際室メンバーで選考会議を開催,候補者を決定し,教授会・共同利用委員会へ推薦している. 平成31年度の外国人研究員のリストを[表4.2.1](長期招聘者),[表4.2.2](短期招聘者)に示す.

4.2.2-2 国際共同研究・教育の推進

2014年度まで実施していた中国科学院大学のサマースクールへの講師派遣を2017年度から再開し, 6月17-21日までの5日間,教員1名を派遣した.講義は合計16.6時間とし集中講義の形で実施した.今年度で6回目となるJSTさくらサイエンスプランによるサポートを受けて,6月17日-7月7日の間,南洋理工大学(シンガポール),バンドン工科大学各2名,インド科学教育研究大学,インド工科大学,ジャダブプール大学(インド),スプル・ノペンブル工科大学(インドネシア),台湾国立中央大学,中国科学院,中国科学技術大学各1名の計11名の大学生・院生を約3週間招聘し,滞在中,学生たちは受入教員の指導のもとそれぞれの研究に従事した.また富士・箱根への巡検(6月22-23日),ポスター発表(7月4日)を行った.参加学生からのアンケート結果は,おおむね好意的であった.理学部主催のUTRIPおよびUCEAPによるインターンシップ研修生として,学部学生5名を受け入れた. 2018年に協定を締結した北京大学地球・空間科学学院と,地震研にて7月23日から7月26日まで,第1回固体地球科学サマースクールを共同開催し,地震研の教員・学生の他,北京大学から教員6名,学生10名が参加した。協定を締結しているフランスの国立地球物理研究所と10月2日から10月4日までパリで研究集会を共同開催し,教員12名,研究員・学生・技術職員8名を派遣した.また,7月から1月にかけて,学生・教員など中国の大学関係者グループの地震研訪問4件に対応した他,3月には,外務省による対日理解促進交流プログラム「JENESYS」により来日したモンゴルの学生・教員の地震研訪問に対応した.

4.2.2-3 国際アウトリーチ活動

国際室の長期招聘事業に関するパンフレットを印刷し,ヨーロッパ地球物理学連合大会(EGU,ウイーン),日本地球惑星科学連合大会(JpGU,千葉),及び米国地球物理学連合大会(AGU,ワシントンDC)ブースで配布した.国際室のウェブサイトに,来日した研究者のプロフィールや研究レポートを紹介している.また,所内の教職員・学生・招聘・外来研究員を対象に実施している英会話ランチでは,来所後間もない招聘研究者を招いて話を聞く機会を設けた他,談話会・金曜セミナー等の終了後にコーヒーアワーを試験的に実施し,招聘研究者と所内研究者との交流・意見交換を促進するための支援を行った.