3.5.15 歴史地震に関する研究

 2017年度より地震研究所と史料編纂所との連携研究機構として「地震火山史料連携研究機構」が設置され,地震予知研究センターからも教員・研究員が参画している.同連携研究機構では,東京大学デジタルアーカイブズ構築事業の一環として「日記史料有感地震データベース」を構築しており,2018年度から試作版を公開するとともに,順次データを追加している.また,いくつかの地点での有感地震の時空間分布の分析を行なった.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一環として,地震関連史料データベースの構築を進めている.

 1830年文政京都地震などについて,GISデータをWebで公開した.1925年北但馬地震の際の海軍史料などの分析から,震央付近の人的被害と救援活動について明らかにした.歴史地震研究におけるデジタルアーカイブの活用や人文情報学的手法の導入について検討した.欧州の歴史地震データベース(AHEAD, the European Archive of Historical Earthquake Data 1000-1899)で用いられているツールを活用して,歴史地震の震度データベースを試作した.