全国の大学等が連携して実施している「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」を推進するために,地震研究所には地震・火山噴火予知研究協議会が設置されている.地震・火山噴火予知研究協議会の下には,推進室と戦略室からなる企画部が置かれ,研究計画の立案と実施で全国の中核的役割を担っている.企画部推進室は,流動的教員を含む地震火山噴火予知研究推進センターの専任教員,地震研究所の他センター・部門の教員から構成されている.流動的教員は,地震研究所以外の計画参加機関にも企画部の運営に参加してもらうために,東京大学以外の大学,関連機関から派遣されており,2年程度で交代する.戦略室には,効果的に研究計画を推進するために,東京大学地震研究所以外の多くの大学や関連機関の研究者も参加している.企画部では次のような活動を行っている.
- 協議会の円滑な運営のため常時活動し,大学等の予算要求をとりまとめる.
- 地震・火山噴火による突発災害発生時に調査研究を立ち上げるためのとりまとめを行なう.
- 大学の補正予算等の緊急予算を予算委員長と協議し,とりまとめる.
- 研究進捗状況を把握し,関連研究分野との連携研究を推進する.
2023年には,2023年5月5日の地震を含む能登半島の地震活動のための調査研究計画のとりまとめを行った.毎年3月に成果報告シンポジウムが開催され,大学だけでなく研究計画に参加するすべて機関の研究課題の成果が発表される.2023年はハイブリッドで実施された.科学技術・学術審議会測地学分科会が毎年作成している成果報告書では,各課題の成果報告に基づいて全体の成果の概要をとりまとめており,文科省のHPで公開されている.2023年は1923年の関東大震災から100周年にあたることから,関東地震100年国際シンポジウムを開催した.また,地震・火山噴火予測研究の現状を正確に社会に伝えることを目的として,主に報道関係者を対象とするサイエンスカフェを6回オンラインまたはハイブリッドで開催した.それらの活動については,facebookを用いて随時情報提供している.