分散型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing,以下DAS)技術を用いて,四国中央部において超稠密な地震観測を2024年1月中旬から3月下旬にかけて実施した.観測には,徳島県三好市池田町を起点に,国道32号線と国道192号線に沿う2本の光ファイバを使用した.今年度は従来と異なり,それぞれの光ファイバの測線長が約50 kmと長くなり,震源決定精度の向上や観測される波群の見かけ速度の推定精度の改善が見込まれる.
SATREPS「災害に強い社会を発展させるためのトルコにおける研究と教育の複合体の確立―マルテスト」のサブ課題「地震・地殻変動観測に基づく北アナトリア断層の活動評価」が,今年度から本格的に始動した.北アナトリア断層周辺におけるDAS観測を来年度から実施するために,現地における光ファイバケーブルの敷設状況の把握や,導入予定のDAS機材を用いた国内での試験観測を実施した.