2023年2-3月に、チリのパタゴニア地方、タイタオ半島において、カトリカ大学(当時)のAndres Veloso教授と学生5名とともに、湧出する温泉の調査を行った。沿岸から湧出する温泉の温度は最高97℃と高温であることや、湧出する場所が別途地質調査から判明している破砕帯の位置に一致することなどが判明した。また温泉地帯の沖合で地形調査・温度計測を行い、海底からの熱水湧出の可能性のある水温異常を検出した。その後、調査に参加した大学院の学生が地震研究所に5か月滞在し、タイタオ半島の断層分布をもとに熱水循環計算を実施している。さらに、2024年度に新たな海洋調査をチリ三重会合点で実施する計画が、Andres Veloso教授から伝えられ、協力することで合意した。
IODP(国際深海科学掘削計画)で実施した南海トラフ地震発生帯掘削を総括するワークショップを開催した。またIODPに続く新たな海洋科学掘削計画(IODP3)の制度設計に、JDESC理事として参加した。中でも掘削提案の作成を行う国際ワークショップの開催を欧州の研究者とともに主導した。
日本海溝海側の正断層付近の流体移動様式解明のため、新青丸に乗船して熱流量測定を行った。また同海域周辺の研究結果に関する共同利用研究集会を東北大学の平野氏と共催した。