分散型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing,以下DAS)技術を用いて,四国中央部において超稠密な地震観測を2024年12月上旬から2025年3月下旬にかけて実施した.観測には,徳島県三好市池田町を起点に,国道32号線と国道192号線に沿う2本の光ファイバを使用した.それぞれの光ファイバの測線長は約50㎞であり,観測期間中に発生した深部低周波地震の波動場を2つのファイバに沿って明瞭に記録することに成功した.
SATREPS「災害に強い社会を発展させるためのトルコにおける研究と教育の複合体の確立―マルテスト」のサブ課題「地震・地殻変動観測に基づく北アナトリア断層の活動評価」の第2期が継続している.2024年5月下旬から,北アナトリア断層を南北に横断する光ファイバケーブルを用いてDASの連続観測を開始した.光ファイバケーブルはマルマラ海東部に位置し,測線長は陸域と海域をあわせて約27kmである.マルマラ海周辺で発生する微小地震や遠地地震の良好な波動場が記録されていることを確認した.また,雑微動記録を用いて北アナトリア断層周域の浅部地震波速度構造の推定を進めている.