国際室は教授4名,准教授5名,オブザーバー(所長,事務長,副事務長,人事及び研究協力担当)及び業務スタッフ(特任専門職員2名,技術補佐員1名)で構成され,ほぼ毎月定例の国際室会議を開催して運営にあたっている.共同利用担当など事務部を支援して,海外からの研究者招聘(長期・短期)業務に加え,地震研に滞在する研究者・留学生の招聘に関する手続き支援,学術協定締結・更新業務,協定に基づく共同研究や全学主催の行事への派遣,ワークショップ・サマースクール開催に関する業務を行っている.育成室・広報アウトリーチ室と協力し,国際学会でのブース展示をここ数年実施している.
4.2.2-1 招聘事業
これまで外国人研究員の招聘事業は, 3ヶ月以上の長期招聘(特任教授・准教授などの教員級と若手のPD級)と3ヶ月未満の短期招聘との2種類で実施してきたが, 招聘をめぐる国際的な情勢の変化に対応するため招聘事業の見直しを行い, PD級(1年)と教員級(原則2−6ヶ月)の2カテゴリーで実施することにした. なお, PD級の研究者が1年を超えて滞在する仕組みも検討した.令和7年度から長期招聘と短期招聘を一本化して公募することにし,令和7年度来日の公募には32名の応募があった.
令和6年度の外国人研究員のリストを[表4.2.1](長期招聘者), [表 4.2.2] (短期招聘者)に示す.
4.2.2-2 国際共同研究・教育の推進
今年度で10回目となるJSTさくらサイエンスプログラムによるサポートを受けて,8月24日-9月13日の間,ジャダブプール大学(インド),北京大学(中国),ミシガン州立大学(米国), フィリピン大学(フィリピン), オーストラリア国立大学(オーストラリア), 国立台湾大学, 国立中央大学(台湾), ディポネゴロ大学(インドネシア), ケンブリッジ大学(英国)の計9名の大学生・院生を約3週間招聘し,滞在中,学生たちは受入教員の指導のもとそれぞれの研究に従事した.また神岡・立山への巡検(9月6-7日),ポスター発表(9月12日)を行った.参加学生からのアンケート結果は,おおむね良好であった.また,協定を締結しているパリ地球物理研究所と11月12日から14日までパリにてジョイントセミナーを共同開催し, 地震研より教員,研究員,学生ら計25名が参加し研究活動に関する発表と活発な意見交換が行われた.
4.2.2-3 国際アウトリーチ活動
2024年12月9-13日に開催されたAGU Fall Meetingにおいて地震研ブースを開設し,国際室招聘プログラムとともに地震研の最新の研究プロジェクトの紹介活動を行った. 来年の地震研100周年を記念する特大ポスターには世界各国から200を超えるブース来場者からのメッセージが集まった.また、100周年記念行事の一環として,AGU期間中に地震研アラムナイミーティング(12月10日)を, またその後は東京大学ニューヨークオフィスに場所を移し, コロンビア大学 ラモント・ドハティ地球観測研究所, イエール大学などアメリカ東海岸の協力機関の関係者や学生を招き100周年記念セッション,講演会,最新の研究発表ワークショップそして地震研究所のあゆみと研究活動を紹介する写真展示のエキシビジョンを4日間(12月16-19日)にわたり開催した.