3.9.5 原子力発電所建屋の3次元地震応答シミュレーション

原子力発電所建屋の地震応答解析では,地盤-構造物連成,建屋の局所的損傷,機器への振動伝達等,さまざまな要因を計算しなければならない.計算機が未成熟の時代に開発された解析方法は,様々な工夫を考案して,このような要因を計算していた.大容量・高速の大型並列計算機が利用できるようになった今日,従来の解析方法の長所を踏襲しつつ,その短所を補う代替となる解析方法の研究開発が必要となっている.3次元ソリッド要素を使った地盤-建屋一体の3次元地震応答シミュレーションは,このような解析方法の候補の一つである.計算科学に強いセンターの特質を活かし,3次元地震応答シミュレーションが実用に耐えるレベルとなるよう,2014年度より,電力中央研究所との共同研究を開始した.