平成19年度地震研究所職員研修会報告

研修運営委員会

 平成19年度地震研究所職員研修会が,平成20年1月21日(月)〜23日(水)の3日間にわたり開催されたので,ここにその内容を報告します.

1.研修会の概要
 平成19年度の職員研修会は,従来の業務報告や技術発表を行なう「技術発表会」(写真1,2)と,今年度も新たな試みとして所内外に講師を依頼し「グループ研修」,「全体研修」(写真3〜6)を取り入れ3日間の日程で開催されました.「全体研修」は初日の午後に「光ケーブル接続講習 (古河電気工業株式会社)」,2日目の午後は「メンタルヘルス講習 (茨城大学大学院教育学研究科 岸 良範教授)」が1号館3F セミナー室A,Bを使用して行なわれた.また,2日目の午前に行われたグループ研修は「グループ1 雷対策(音羽電機株式会社)」と「グループ2 Web編集ツール(地震予知情報センター 鶴岡 弘助教)」 に別れそれぞれ1号館3Fのセミナー室A,Bを使用して行われました.最終日午前の特別講演2題「フィールドにおける作業の安全性(東京大学保険センター 古澤真美産業医)」,「緊急地震速報の一般への提供開始−地震自動処理システム科学の挑戦(気象庁地震火山部管理課 束田進也調査官)」は2号館5F第1会議室において行われました.

 3日間の参加者の内訳は21日の全体研修が45名,22日のグループ研修,全体研修,技術発表会が39名,23日の技術発表会,特別講演が35名でした.研修会終了時に全日程に参加した技術職員(地震研究所24名,北海道大学2名,京都大学3名,名古屋大学2名,九州大学1名)に対し,所外参加者を代表して北海道大学の山口照寛技術職員,所内参加者を代表して広島地震観測所の三浦禮子技術専門職員(写真9,10)へ大久保所長より修了証書が手渡されました.

2.技術発表会,グループ研修,全体研修
 技術発表会,グループ研修,全体研修については「研修会プログラム」(資料1)と「グループ研修,全体研修の項目と概要」(資料2)を参照されたい.グループ研修における参加者の内訳は,「雷対策」 24名,「Web編集ツール」 7名,「全体研修」では32名(うち他大学8名)の技術職員と13名の教員が参加しました.

3.反省
 本年度職員研修委員会では,研修参加者の意見と昨年度研修運営委員会の意見を参考に職員研修会の意義や方法について議論を重ねました.今年度は昨年度の職員研修会を踏襲した形で行いましたが,時代の変化,技術の進歩,世代の交代等の中で所外研修を再度見直すべきと言う意見もありました.昨年の反省を基に皆様から事前に意見収集を行うなど改善した点も評価されました.研修会後に行なった参加者アンケートでは,他大学の情報が得られる貴重な機会と評価する一方,発表数が少ない,質疑がやや低調と言う意見もありました.また,ポスター発表等はどうか?と言う意見もあり今後の課題として検討します.グループ研修,全体研修の評価は高く,特別講演についても普段は聞けない話を聞くことが出来たと言う意見が大半でした.

 21日の夕刻から行なわれた懇親会(写真7,8)では,他大学や他機関の参加者,および本所,観測所職員が一堂に会する貴重な場となりました.ただ一つ残念なことは懇親会終了後,嘔吐や下痢,発熱の症状を訴える参加者が10数名あり,翌日東大病院で検査を受けました.原因は不明でしたが,全員揃って最終日を迎えることが出来たことは幸いでした.

4.最後に
 各大学や関連機関の施設長には,所属の職員に地震研究所職員研修会への参加を奨励していただきまして誠にありがとうございました.研修会の開催期間中には所長,事務長をはじめ各センター長,各部門主任,事務部の皆様に様々なご支援とご協力をいただきました.ここに記して深く感謝いたします.

資料1: 「研修会プログラム」

  平成19年度 地震研究所職員研修会日程・プログラム

日 時:平成20年1月21日(月)〜23日(水)
場 所:東京大学地震研究所
 1月21日(月) 全体研修 13時00分〜17時45分
 1月22日(火) グループ研修・全体研修・技術発表会 09時00分〜17時45分
 1月23日(水) 技術発表会・特別講演09時00分〜11時50分


1月21日(月) 全体研修 13時00分〜17時45分 1号館3F セミナー室A・B

  挨拶:大久保修平 地震研究所長(5分)
    大湊隆雄 研修運営委員長(5分)
研修項目:光ケーブル接続講習 13時10分〜17時45分 
担 当 :古河電気工業株式会社

懇親会 18時00分〜20時00分 1号館7F ラウンジ
 
 

1月22日(火)グループ研修・全体研修・技術発表会 09時00分〜17時45分

  グループ研修:09時00分〜12時00分 
グループ1  1号館3F セミナー室A
研修項目:雷対策
担 当 :音羽電機工業株式会社
グループ2  1号館3F セミナー室B
研修項目:Web編集ツール 
講 師 :鶴岡 弘(地震予知情報センター)

全体研修:13時00分〜16時00分 1号館3F セミナー室A・B
研修項目:メンタルヘルス講習
講 師 :岸 良範(茨城大学大学院教育学研究科)

=================休憩(15分)================

技術発表会:16時15分〜17時45分 1号館3F セミナー室A・B
〈座長 辻 浩〉
(1) 発表者:坂上 実(技術開発室)
題 目:遠隔地における機動強震観測について −2005年福岡県西方沖地震−
(20分)
(2) 発表者:内田正之(技術開発室)
題 目:ワイヤ放電加工機について(15分)

=================休憩(10分)================

〈座長 橋本信一〉
(3) 発表者:○内田和也、植平賢司(九大地震火山観測研究センター)
題 目:マイクロサーバ・OpenBlockS266を使った地震観測における
データバックアップ(15分)
(4) 発表者:○山口照寛、笠原 稔(北大地震火山研究観測センター)
題 目:地殻変動データベースの構築(15分)
(5) 発表者:井上寛之(京大火山研究センター)
題 目:地震観測テレメータの更新について(15分)
 

1月23日(水)技術発表会・特別講演 09時00分〜11時50分 2号館5F 第1会議室

  技術発表会:09時00分〜09時50分 
〈座長 田上貴代子〉
(6) 発表者:酒井慎一(地震地殻変動観測センター)
題 目: 震源決定のための読み取り技術検定試験(15分)
(7) 発表者:野口和子(情報処理室)
題 目:その他・私の仕事(15分)
(8) 発表者:○小林 勝、羽田敏夫、橋本信一(総合観測室)
題 目:北信微小地震・地殻変動観測所(現・信越地震観測所)の地震地殻変動観測                 (20分)

=================休憩(10分)================

特別講演:10時00分〜11時40分 
〈座長 芹澤正人〉
★  特別講演:古澤真美(東京大学保健センター 産業医)
題 目:フィールドにおける作業の安全性 (40分)

=================休憩(5分)================

〈座長 荻野 泉〉
★ 特別講演:束田進也(気象庁地震火山部管理課)
題 目:緊急地震速報の一般への提供開始 −地震自動処理システム科学の挑戦−
(55分)

挨 拶:辻 浩 実行委員長(5分)
修了証書交付:大久保修平 地震研究所長(10分)
 
 

資料2: 「グループ研修の項目と概要」

  光ケーブル接続

 専門業者による、現場で光ケーブルを接続するための技術講習を行う。講習会では専用機具を使い、ケーブルの切断から接続までの工程を実習する。

雷対策

 避雷器の製造販売やシステムソリューションを手がけている業者を招き、避雷器設置方法の説明と具体例について講義していただく。また、アレスタ・避雷器の現物の展示も行う。

Webツール講習

 WEBブラウザだけで簡単にページ内容を自由に編集できるWeb編集ソフトの使用法を学ぶ。

メンタルヘルス講習

 昨年に引き続き、メンタルヘルスケアについて専門家を招き、講義・実習を行う。
 

 

資料3: 「平成19年度委員」

 
  運営委員長:大湊隆雄, 同副委員長:酒井慎一
  実行委員長:辻 浩, 副実行委員長:橋本信一, 渡邉トキエ(会計)
  委員:荻野泉, 田上貴代子, 芹澤正人, 八木健夫

 

 

(写真1,2)技術発表会
 

(写真3,4)所内講師によるグループ研修
 

(写真5,6)所外講師によるグループ研修
 

(写真7,8)懇親会
 

(写真9,10)修了証書交付