平成28年度地震研究所職員研修会報告
研修運営委員会
平成28年度地震研究所職員研修会を平成29年1月16日(月)〜18日(水)の3日間に渡り開催しましたので,ここに報告します.
1.研修会の概要
本研修会の内容は「技術発表会」「所外研修」「特別講演」の3つに大きく分かれており,技術発表会は1・3日目,所外研修は2日目,特別講演は3日目に開催しました.3日間の内容は以下の通りです.
1日目は開会式に引き続き技術発表があり,5件の口頭発表と11件のポスター発表を行いました.終了後,記念撮影と1号館2階コミュニケーションラウンジでの懇親会を催し,参加者同士の親睦を深めました.
2日目は神奈川県温泉地学研究所および箱根・大涌谷での所外研修を行いました.小田原駅に集合後,貸切バスにて初めに神奈川県温泉地学研究所を訪問し,里村所長による箱根山についての御講演があり,その後所内施設の見学や観測体制などについての説明を受けました.昼食後は再びバスに乗り大涌谷へ向かいました.大涌谷では箱根ジオミュージアムで説明を受け,各所を見学しました.午後4時頃まで滞在し,小田原駅へ移動してこの日は解散しました.
3日目は口頭による4件の技術発表とグループ研修報告,アジア航測株式会社の千葉達朗氏による特別講演を行いました.最後に,九州大学の手操佳子さんと地震研究所の佐伯綾香さんにそれぞれ所内外を代表して修了証書を授与させていただき,研修会を終了しました.
研修会への事前参加申込者は43名で,内訳は所内から21名,他大学・機関から22名でした.この他にも,複数の所内教員が懇親会や特別講演に参加しました.全日程(3日間)参加者は37名で,その内訳は所内が21名,他大学・機関が16名でした.
2.アンケート集計結果について
研修会では更なる改善を目指して毎年参加者にアンケートをお願いしており,今回は32通の回答をいただきました.集計結果は文末に添付しますが,ここでは要約してご紹介します.
問1では各研修内容について5段階で評価していただきましたが,概ね高評価をいただきました.その中でポスター発表についてはコアタイムが短いといったご意見や,所外研修で移動が大変だったとのご感想もありました.所外研修につきましてはここ10年では最遠の研修先で,計画当初から参加者の皆様にご負担をおかけすることは予想しておりましたが,箱根は地震研の重要な観測地域であり,前年の活動活発化もあってトピックが豊富であろうということで計画を進めてまいりました.
問2は来年度の参加予定を伺っていますが,半数以上の方に参加形式が未定も含めて参加を検討していただいております.
問3〜4では来年度の開催日程について希望を伺っていますが,ほとんどの方が例年通り1月下旬の水〜金での開催を希望されています.今回は変則的に月〜水で開催させていただきました.
問5〜7では所外研修先や実習,特別講演について伺っていますが,来年度以降,頂いたご意見を参考にさせていただきます.
アンケートにお答えくださった皆様,ありがとうございました.
3.研修会を終えて
現在のような形で職員研修会が開催されるようになってから四半世紀が経過しました.毎年刊行されている技術報告と合わせ,日々技術研鑽している職員が成果を発表する場として一定の地位を築き上げることが出来てきたのではないかと考えています.また研修制度も様々な技能技術の習得の一助となってきたと思います.その一方で,業務に追われ,新たな技能技術の習得や発表報告文書の作成に取れる時間が減ってきているのではないかとも感じています.無論,業務は最優先ですが,常日頃磨いている技術が研究支援の質を向上させるものであることをご理解いただき今後とも教員の皆様にはご協力をお願い申し上げます.
そして職員の皆様もぜひ研修制度を積極的に利用していただき,技術向上に役立てていただきたいと思います.それが職員研修会の技術発表という形でフィードバックされることを期待します.
さて前述のとおり職員研修会は始まってから25年が経ちました.この15年ほどはほとんどスタイルを変えず開催しています.元々は通信環境も不十分で情報を得にくい時代に観測所の職員が持ち回りで開いていた勉強会でしたが,時代は変わりインターネットの普及により欲しい情報が遠隔地でも手に入りやすくなり,また地震研では平成29年度になると観測所勤務の職員は1名となって当初の目的は薄らいでしまいました.一方で所謂団塊世代職員の一斉退職と入れ替わりに入所した若手職員がこれからキャリアを積み重ねていく上で研修制度が役に立つ場面は必ずあるとも考えています.
そういった環境やニーズの変化に合わせて研修会や研修制度も変化していくべきなのか,それとも現在のスタイルを維持すべきなのか検討する時期に来ているかもしれません.2.で紹介したアンケートだけではなく,直接研修委員会へ寄せていただいても結構ですので,皆様のご意見ご要望をお聞かせください.また個人研修・グループ研修の申し込みにつきましても,直接業務と結びつかないと思われるものであっても一度研修委員にご相談ください.
最後に,本研修会への職員参加につきましてご賛同及び格別のご配慮をいただきました各施設長の皆様,開催期間中の業務につきましてご配慮いただいた教員の皆様,事務手続きや受付・修了証の発行等でご協力いただいた事務部・事務支援室の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます.また参加者の皆さまにつきましては来年度以降もご参加いただき,積極的な技術発表をよろしくお願いいたします.
1.
参考資料
研修会プログラム
★アンケート集計結果(理由等一部省略)
問1.今回の研修会を5段階で評価してください.
・ 口頭発表
A:とても良い16,B:良い15,C:普通1,D:悪い0,E:とても悪い0
・ポスター発表
A:とても良い14,B:良い14,C:普通4,D:悪い0,E:とても悪い0
・所外研修
A:とても良い12,B:良い11,C:普通6,D:悪い0,E:とても悪い0
・特別講演
A:とても良い24,B:良い5,C:普通1,D:悪い0,E:とても悪い0
・全体(プログラム構成や会場設営など)
A:とても良い14,B:良い15,C:普通2,D:悪い0,E:とても悪い0
問2.来年度も職員研修会が開催される場合には,参加されますか.
A:参加を検討(口頭1 ポスター1 参加だけ1 未定21)
B:参加予定なし0
C:まだわからない8
問3.来年度の職員研修会の開催日程(年月)は,いつ頃がご都合よろしいでしょうか.
A:例年通りで良い27(2018年1月下旬)
B:それ以外が良い2(2月上旬,3月下旬)
C:まだわからない2
問4.来年度の職員研修会の開催日程(期間と曜日)は,いつ頃がご都合よろしいでしょうか.
A:例年通りで良い25(水曜午後から金曜午前の正味2日間)
B:今回の方が良い3(月曜午後から水曜午前の正味2日間)
C:それ以外が良い0
D:まだわからない2
問5.職員研修会の際に,地震研究所外で研修に行ってみたい施設や場所などがあれば,お教えください.
東大総合防災情報センター・大気海洋研・宇宙線研究所(神岡)・省庁・港湾空港技術研究所・東海臨海広域防災公園・気象庁・気象研・航空気象台・海上保安庁・JAXA・国立天文台・産総研・地質標本館・高エネルギー加速器研究機構・建築研究所・土木研究所・電力中央研究所・情報通信研究機構・地球科学総合研究所・勝島製作所・白山工業・全日空・日本航空・地震予知振興会
問6.職員研修会の際に,地震研究所内で受けてみたい研修や実習などがあれば,お教えください.
雷対策・WIN読み取り・システム講習・地震計の修理分解検定・測地観測・ノイズ対策・Webデザイン・UNIX研修・電子回路講習・メンタルヘルス講習・CAD講習・マイコン・アプリ開発・機械工作・データベース構築
問7.職員研修会の際に,特別講演として聴講してみたい講師や講演内容があれば,お教えください.
香取秀俊教授(東京大学工学部)・加藤照之教授(東京大学地震研究所)・色々な地震計の構造に関する講演・地震計の設置や野外作業の実技
問8.その他,ご意見ご要望などありましたら,お教えください.
(回答一部抜粋)
・ 参加者名簿が欲しい
・ 講習会場でも飲み物が飲めれば良かった
・ 丸やラインの出るレーザーポインターがあるので,それを使って欲しい
・ 研修要項が実態と合わなくなって来ているので,修正を検討してはどうか
・ 温地研・防災科技研・JAMSTECにも研修会の案内を出したらどうか2
★アルバム
写真1. 技術発表(口頭)
写真3. 技術発表(ポスター)
写真5. 所外研修(神奈川県温泉地学研究所)
写真7. 所外研修(箱根・大涌谷)
写真2. 技術発表(口頭)
写真4. 技術発表(ポスター)
写真6. 所外研修(箱根ジオミュージアム)
写真8. 特別講演(アジア航測・千葉氏)
写真9. 修了証授与式(手操さん)
写真11. 集合写真(東京大学地震研究所)
写真10. 修了証授与式(佐伯さん)
写真12. 集合写真(神奈川県温泉地学研究所)
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※平成29年度 研修運営委員会メンバー
委員長 長尾 大道
副委員長 加藤 愛太郎
実行委員長 芹澤 正人
実行副委員長 竹内 昭洋
委員 安藤 美和子
池澤 賢志
西本 太郎
外西 奈津美