地球惑星科学専攻・大学院講義(2007年度)


レポート#4(川勝分,締め切り9月4日,7月17日出題)


下記の3つのファイルは,東北日本の広帯域地震観測点(HMK, HSK, IYG)の 波形データから得られた,レシーパー関数である. それぞれのファイルは,フィージー・トンガ地域で起きた 15個の深発地震のものに対応している.

(1)各観測点について,レシーバー関数をstackせよ. その際,線形stack,N=2-root stack. N=4-root stackをおこない, 結果を比較し考察せよ.

(2)stack波形誤差の推定: stack波形については,標準偏差などの誤差解析を施すこと. とくに非線形stackについては,boot-strap法を用いること (元の波形データから,100セットの疑似データを作り(オリジナルデータからの 重複をゆるすランダム・サンプリングにより),誤差推定(それぞれの 疑似データに対してstackをおこない,100のスタック波形について 分散をもとめる)をせよ). また線形stackについて,2種の誤差(普通の標準偏差とboot-strap法によるもの)を比較せよ.

(3)結果の考察: それぞれのstack波形から,東北日本下の構造について 考察せよ.ちなみにマントル内の不連続面の場合, Ps変換波は,P波にたいして,1秒の遅れがおおよそ10km の深さに対応する(地殻に関しては,もう少し小さくなる).

(4) 今回の波形データは,日本の東南方向で起きた地震を使っている. もし西側で起きた地震を使った場合,どのような結果が期待されるか 考察せよ.

<<レシーバー関数波形データ>>
HMK (緯度,経度:39.851, 141.240) 波形
HSK (40.415, 141.579) 波形
IYG (40.122, 141.583) 波形

(*注) それぞれのファイルには,15個の地震波形が含まれている. それぞれ1コラム目は時間(秒)で,2コラムがレシーバー関数の振幅に なっている.50秒目がP波の到達時間.