第10回 波動・振動で地球の中をみる
10.6 地球の内部構造

地震波速度構造から密度構造の推定:




マントル遷移層とは何か?

地震波の解析から,深さ410kmと660kmに速度が不連続に変わる場所があることが明らかになった.
このあたりとマントル遷移層と呼び,660km不連続面の上下でマントルを上部マントル・下部マントルに分ける.
特徴1.地震は上部マントルでしか起きない (→ 海洋プレートはこれより深く入り込めないのだろうか?)

特徴2. 高圧物性実験から,マントルを構成するかんらん岩は二つの不連続面の深さに対応する温度・圧力条件で高圧そうに相転移・相分解することが明らかになっている
高圧実験装置の一例


すべてを総合して...

温度構造は?
熱対流する場合の温度構造:
底(CMB)と地表の温度差が小さい場合(左)と大きい場合(右)で熱境界層の厚さが変わる
シミュレーション1(946KB),シミュレーション2
(1.8MB) (広島大 岩瀬氏による)


マントルの場合は地表とCMBが熱境界層で複雑な構造をしていると予想される:
地表 → 大陸・海の違い
CMB → 大陸や海があるか?横方向の不均質の度合いが大きいことは地震学の観測から明らか

マントル対流の描像は?
