第10回 波動・振動で地球の中をみる
10.5 長周期の振動・波動
表面波:
自由表面にへばりついて伝わる波 (距離減衰が小さいので地球を何週も回ってやってくる)
観測点のない海の下の構造を研究するのに便利


地球の自由振動(固有振動):
54分周期
地球の自由振動の節の例:

大きな地震が起きると,下の図のように地球は何日間も揺れつづける(横軸は秒).

その周波数スペクトルを見ると,幾つもの地球の固有周期が読み取れる(横軸は周波数 Hz).
固有周期とは,地球の構造から決まってくる「固有の」振動の周期であり,どのような地震が起きても,地球は同じ周期で揺れる.
この固有周期の値を知ることで,地球の大まかな構造はわかる.特に密度のついての情報を与えてくれる.


最近の日本の研究者の発見によると,地震がなくとも地球は微弱ではあるがいつも揺れているいることがわかった.

これは大気の運動(風,台風,...)が地表を叩くためで,固体地球と大気のカップリング現象として注目を集めている.
他の大気を持つ惑星(火星・金星...)の構造探査に使える可能性が出てきた.
固体地球と大気のカップリングの例
ピナツボ山の噴火で励起された長周期地震波:

