船牀六尺 : ふつうの海洋マントル観測航海記 | [HOME] |
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今朝は4時からOBEM, BBOBSの投入をNM12で行い, 種々の調査の後NM16へ今向かっています. 午後から,EFOS, NXを含む投入,K7による展開作業が 明日まで予定されています. さて今日は日曜日ということで,いつもと少し違った話題を. <<かいれいに於ける祭祀について>> かつでどこの家にもあったように(もちろん我が家にもあった), 観測船「かいれい」にもりっぱな神棚がある(写真1). 航海の初日,「『こんぴらさま』をやります」との船長のお言葉に すぐぴんとこなかったのはうかつであったが, メインデッキの操舵室に全員が集まり,御神酒をあげつつ 航海の安全・武運をいのるのである. 乗組員全員が顔を合わせる場としてきわめて適切なしきたりと 感心した(海半球にも神棚を作りますかね).
さて「祭祀」などという言葉を持ち出したのは こんぴらさまだけのせいではない. 観測初日に目の当たりにした観測機器の投入へいたる手続き(儀式?)の 様子は祭りそのものであった. 空中にうかぶOBEMは七夕の飾りのようであるし, BBOBSーNXを大人数で引くさまは,神輿を担ぎだす雰囲気である(写真2右下). そして圧巻は格納庫からのかいこう7000のご出陣で(2左), これはまさにだんじり(関東では山車)が年一度蔵から出てくる場面を 思わせる.かいこう7000の上で船員の方々が動き回るのは(2右上) だんじりの上で浮かれている氏子たちのようである... また昨夜9時までおこなわれた全員・全機種総出で行われた 準備作業はまさに祭り前夜の雰囲気...
祭祀のもとにあるのは素朴な祈りとその共有であろう. 中国・内モンゴルの大草原で観測の成功を毎日祈っていたように, 海と波と空以外何もない北西太平洋の大海原におかれたとき, 人は自然と祈るものである. 後半も無事作業が進み今回の観測航海が成功裏に終わることをいのりましょう. #写真3:Kaikoオペレータ室モニターより