船牀六尺 : ふつうの海洋マントル観測航海記
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NoMan2012従軍記#18 観測終了(9/2)


昨日EFOS,OBEMの投入後遅れること4時間半のこちらの時間(JST+1)の
午後2時頃にNXが投入されました.
その後Kaikoの潜航を受け
夜7時半から今朝の8時まで深海底での作業が続き
先ほど完了しました(Kaikoはいま揚収されつつあります).

残念ながらNXは深海底での作業中制御不能の状態に陥り
今回初めての観測点設置失敗ということになります.
原因は不明で来年の航海までのお預けの宿題となります.

一方EFOSの方は,深海底の海流が非常に速く作業は困難を極めましたが,
またそのおかげで2kmの展開作業に時間がかかりましたが,
今朝8時前に無事展開設置されました.

これをもって観測網の設置作業はほぼ終了となります.
あとは時間の許す限り海域の海底地形マッピングをおこない,
今夕海域離脱,5日朝JAMSTECのある横須賀に入港予定です.

今回の観測では,初っぱなのかいこうのトラブルに始まり
OBEM1機(NM03)回収不能,
BBOBX1機(NM01)未回収,
EFOS(2年前中途設置NM03)の再展開時間とれず,
NX1機(NM01)設置失敗,
といくつかの困難・今後への宿題がありましたが,
作業終了後の歌田主席研究員へのインタビューでの
総括に依れば「まずまず」ということです.

得られたデータについては,すでにpreliminaryな解析が進んでおり,
良好なデータがとられているようです.
NXのデータに関しては,長周期(7秒)より長い側では,
実体波の解析(レシーバー関数,S波splitting)に十分使える
データが記録されています.
今後の詳細な解析が大いに期待されます.

観測班の皆さん,Kaikoチームのみなさんは徹夜の作業で,
本当にお疲れ様でした(映像報道班は途中寝ました).

#添付の写真は,昨日の船上での投入作業中のものです.
#歌田・塩原主席・次席研究員中心です
#EFOSのスピーカー部の"H U"のマークは,
#観測班から主席研究員へのオマージュと推察されますが,
#深海底では残念ながらこちらを向くことがありませんでした
#(これも次回への宿題ですね)





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