船牀六尺 : ふつうの海洋マントル観測航海記 | [HOME] |
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昨日EFOS,OBEMの投入後遅れること4時間半のこちらの時間(JST+1)の 午後2時頃にNXが投入されました. その後Kaikoの潜航を受け 夜7時半から今朝の8時まで深海底での作業が続き 先ほど完了しました(Kaikoはいま揚収されつつあります). 残念ながらNXは深海底での作業中制御不能の状態に陥り 今回初めての観測点設置失敗ということになります. 原因は不明で来年の航海までのお預けの宿題となります. 一方EFOSの方は,深海底の海流が非常に速く作業は困難を極めましたが, またそのおかげで2kmの展開作業に時間がかかりましたが, 今朝8時前に無事展開設置されました. これをもって観測網の設置作業はほぼ終了となります. あとは時間の許す限り海域の海底地形マッピングをおこない, 今夕海域離脱,5日朝JAMSTECのある横須賀に入港予定です. 今回の観測では,初っぱなのかいこうのトラブルに始まり OBEM1機(NM03)回収不能, BBOBX1機(NM01)未回収, EFOS(2年前中途設置NM03)の再展開時間とれず, NX1機(NM01)設置失敗, といくつかの困難・今後への宿題がありましたが, 作業終了後の歌田主席研究員へのインタビューでの 総括に依れば「まずまず」ということです. 得られたデータについては,すでにpreliminaryな解析が進んでおり, 良好なデータがとられているようです. NXのデータに関しては,長周期(7秒)より長い側では, 実体波の解析(レシーバー関数,S波splitting)に十分使える データが記録されています. 今後の詳細な解析が大いに期待されます. 観測班の皆さん,Kaikoチームのみなさんは徹夜の作業で, 本当にお疲れ様でした(映像報道班は途中寝ました). #添付の写真は,昨日の船上での投入作業中のものです. #歌田・塩原主席・次席研究員中心です #EFOSのスピーカー部の"H U"のマークは, #観測班から主席研究員へのオマージュと推察されますが, #深海底では残念ながらこちらを向くことがありませんでした #(これも次回への宿題ですね)