13年3月9日 観測時間 9時55分 〜 10時22分  搭乗時間 9時00分 〜 12時15分 (東ヘリ→海ほたる→富津岬→大島東沖→0955三宅上空観察1022→1039神津島(本部長 視察の間に給油)1124→神津島西側→→新島西側→大島空港上空→城が島東→富津岬→海 ほたる→1215東ヘリ)                 東京消防庁 つばめ JA9980  クル−4名 寺井機長,ほかに東京消防庁第2方面本部長と随員1名 計8名) 観測者:津久井雅志(千葉大)、星住英夫(地質調査所) 天候:はれ→一部曇 飛行経路・高度  9時08分,東京へリポート発.東京は晴れだったが,南方には雲が見える.出発後に機長 から神津島上空西風15〜20m/sと報告される.大島の内輪山は,昨日からけさにかけての 雪で雪をかぶっている.三宅島を北から見ると噴煙は東に流れる.噴煙高は1000〜 1200m.いつもより低い. 9時55分,湯の浜港付近から進入.北側斜面には雪が残ってい る.カルデラに接近して北〜西〜南山腹を2往復半.はじめの1往復半はやや高めの高度 1100m位,その後,850〜900mくらいに下げて観測.最後に南から海岸に沿って高度 500mくらいで南〜西〜北の山麓を観察,10時22分,神着美茂井で離脱.神津島に向う. 向い風のため,対地速度遅い(三宅〜神津に16〜17分かかる).海上は白波が立ち,接岸 できなかったえびね丸?が神津島へ向けて大きく揺れながら帰るのが見えた.これに乗てい た人は大変だっただろう. 観測結果 ○ 噴煙は東側三池方面になびく.白色で,高度1000〜1200mまで,低い.青白いガス がその下を拡散している.写真1,2 ○ 西風が強く,カルデラ内は噴煙が滞流していて観察できない.写真3 ○ カルデラ南縁の亀裂は変化ない模様.写真4 ○ カルデラ北西縁に亀裂が入っているのに気付く.写真5,6 カルデラ壁から数十mの幅 を持っているもよう.2/28に報告した北西の崩落箇所の外側に相当するのかはよくわから ない.これが崩落したとしても,直ちに噴火活動に影響を与えることはないと思うが,一応 報告. ○ 北山腹1874年割れ目火口最上部付近の火口にも水が溜まり始めたように見えた. ○ 南〜西〜北一周道路沿いの泥流,水たまりを確認した. ・ 大路池入り口から大路池へ向ったところ, ・ 赤コッコ館駐車場付近, ・ バスのある資材置場,その西の尾根を越えて海岸に出るところ,角屋敷バス停, ・ その西150m,コンクリート工場出口付近? ・ 阿古−伊ケ谷の間の資材置場(取り除かれた?), ・ 空栗橋, ・ 平山橋(伊ケ谷−伊豆) ・ 土佐−美茂井間2箇所 ・ アノウ崎−赤場暁の砂浜背後 など. 写真 1 北から見た三宅島と噴煙.東へなびく.左に見えるのは御蔵島. 写真 2 三宅島南東麓から東へなびく噴煙と青白ガスをみる.空港北側と三池港はガスの 中. 写真 3 南麓からみるカルデラ.噴煙が滞留して中は観察できない.海の向こうに新島が 見える. 写真 4 カルデラ南縁の埋もれた登山道と亀裂.変わらず. 写真 5 カルデラ北西縁の亀裂.雪で強調されて見える.向こうがわに七島展望台とレス トハウスが見える. 写真 6 亀裂のアップ. 強風の中,カルデラ縁まで接近したり機内の移動など,観測に最大限配慮されたクルーに感謝. (津久井 雅志)