4月20日(金)FLY-31 ヘリコプター:消防庁(かもめJA9692) 搭乗者:金子,須藤(産総研) 午前9時03分,東京ヘリポートを離陸. 9時44分三宅島上空到着.カルデラ内部はやや噴煙が滞留し,クリアではない. 噴煙は海抜900m程度と低い(写真1).弱い西風により,東へ流されている.ただ し,噴煙の本体(白い部分)は,海岸線上空に達しない内に消散し,見えなくなって しまう.ガスは,東斜面を下り,三池港〜空港付近に流れ込み,遙か海上まで続いて いる(写真2).観察終了の10時14分頃には,噴煙高度は,700m程度まで低下し,カ ルデラ内に噴煙が充満するようになる(ガスは相変わらず溢れるように東へ流れ下 る)(写真3). カルデラ縁南側の亀裂(主火口の脇)は,2月14日の写真と比べて,ほとんど変化が ない(写真4).スオウ穴西肩の亀裂もまだ残っており,同様に2月14日からほとんど 変化がない.カルデラ縁南東部,雄山林道終点付近の割れ目は,テーラスの堆積状況 からすると,カルデラ内側ブロックの方がが高くなっているように見える(写真 5). カルデラ内部は,ほとんど変化がない.特記すべき点として,主火口東側にある噴気 域周辺に,イオウと思われる黄色がかった物質が付着しているように見えることが挙 げられる(写真6).南北2つの規模の大きい水溜まりにも変化がない.今回,小さな 水溜まりが少なくとも5箇所程度確認できた(写真7). 11時17分観測終了.11時16分,東京ヘリポート到着. (金子) -------------------------------------------------------- (写真) 1 噴煙は,海抜900m程度と低い.(北より) 2 ガスは,東斜面を下り,三池港〜空港付近に流れ込み,遙か海上まで続いてい る.(南より) 3 観察終了の10時14分頃には,噴煙高度は,700m程度まで低下し,カルデラ内に噴 煙が充満するようになった.(北より) 4 カルデラ縁南側の亀裂(主火口の脇).2月14日と比べて,ほとんど変化がない 5 カルデラ縁南東部,雄山林道終点付近の亀裂.テーラスの堆積状況からすると, カルデラ内側ブロックの方がが高くなっているように見える. 6 主火口東側の噴気域周辺.イオウと思われる黄色がかった物質が,付着している ように見える. 7 カルデラ内部.ほとんど変化がない.小さな水溜まりが少なくとも5箇所程度確認 できる.(西より)