平成13年5月02日(水) 観測時間 9時50分 〜 10時10分 搭乗時間 8時42分 〜 11時08分 東ヘリ852→田園調布→新横浜→城ケ島西側→大島東沖→950三宅上空観察1010→ 葉山→横浜→1104東ヘリ (警視庁 おおとり8号 JA18MP クル−3名) 観測者:津久井雅志(千葉大),川辺禎久(産業技術総合研究所) 天候:曇り,一時小雨  8時52分,東京へリポート発.くもっているが,天気は下り坂の予想.かすみがかかって視程 は良くない.高度2500フィートで南下.大島はかすんで見え,カルデラ内の高度400〜500m 以上は雲の中.波浮を過ぎると小雨,雲を迂回して進む.9時37分モンキーベルト着用(したが, 結局出番無し). 9時45分三宅島の北3マイル,高度2500フィートに達する(写真1).噴煙は西へなびいている ようであるが,海面からの高度800m以上は雲がかかり,噴煙高度は良くわからない.北から進入 して時計回りに東〜タツネまで進む.旋回して反時計回りに東〜北〜伊豆まで飛行.旋回してもう 一度東回りで富賀付近まで高度2500フィートで往復して伊豆で観測終了(10時10分).給油なし で,東京へ向う.11時04分東京へリポート帰還. 噴煙の様子 白色噴煙,ガスは火口上を100〜200m上昇して西(七島展望台〜ゴミ焼却場方向・ ・・要するに阿古方向)へ流れる(写真2,3,4).間もなくガスは噴煙の下にさがって,地形に 沿ってはう.噴煙の最高高度は雲の中で不明.量は多め.1往復めはタツネ付近でパイロットがイ オウ臭を感じたため旋回したが,特別強いものではなく,2往復めはさらに西まで飛行した. 雲に押さえられて飛行高度を高くとれず,カルデラの中の観察はできない.もっとも,噴煙が内部 に滞留していたため,高く飛んでも見えなかっただろう(写真5). カルデラ縁 南東縁(1535年最上部火口付近)の崩落が進んだのではないかと川辺さんが指摘した (写真5)が,4/23(写真6)との比較では,はっきりしない. 今日は山腹沿いの飛行のため,(既に報告されてはいるが)発達したガリーが目についた.たとえ ば北東方向の1940年,62年火口に沿って伸びるガリーはカルデラ縁にまで達している(写真7). 昨夜10時すぎに新島,神津島近海を震源とする地震があり,三宅も震度2だったそうだが,今日観 察した限り表面上変化なし. 夜間滞在に向けて準備が進められている模様. (津久井雅志) 写真 1. 三宅の北3マイルから.噴煙は西に流れている.山頂部は,雲が高度700〜800m以上にかか っているため見えない. 2. 南西からみた噴煙.左側七島展望台奥にガスがはう. 3. 富賀沖(間鼻沖)から北方(阿古)方面を見る.噴煙,ガスが阿古方面に流れ下る. 4. 北西から南方(阿古)方面を見る. 5. 本日5/2南から見た南東カルデラ縁. 6. 4/23に南から見た南東カルデラ縁.(違いは???) 7. 北東山腹に発達したガリー.