13年6月27日(水) 三宅島火山噴火調査 観測時間 10時16分 〜 10時43分 搭乗時間 9時03分 〜 13時50分 東ヘリ913→東京駅→国会議事堂→渋谷南→田園調布→逗子→大島東沖→1016三宅上空観察1043→1116新島空港1301→1349東ヘリ (警視庁 おおとり3号 JA6704 クル−3名 +三宅警察署長・他1名(新島で降機)+都広報カメラマン1名 計8名) 観測者   津久井 雅志   (千葉大)   斉藤  元治   (産総研)   天候:薄曇り〜晴れ コース 9時13分東京へリポート発.東京は薄曇りで,もや多く視程良くない.いつもの警視庁コムスよりも やや西よりを飛行.視程改善,海上からは富士山山腹,伊豆半島が見える.2500フィートで飛行.しかし, 大島は島の南半部分に地形に地形にそってべったり低い雲がかかる(写真7).嫌な予感.  10時11分三宅が見えてくる.西半分は地形に沿って低い雲がかかる.噴煙高度は海抜1000mくらい.低 い.噴煙・ガスは東へなびく.10時16分,湯の浜漁港沖に着く(写真1).ここから反時計回りに,風上の 西側から海岸沿いに高度1100mで南東まで飛行する.旋回後,時計回りにゆっくりと海岸に沿って阿古まで 飛行(写真2,3,4,5).三宅島をはじめ新島,神津島,御蔵島(写真8)も島の部分に地形に沿って地表 からの高度100〜200mくらいの低い雲がかかる.新鼻は見えるが,新澪池は見えない(写真5).阿古港は 見えるが,コシキは見えない.気温が30℃に近く,湿度が高いため,空気が地形に沿って上昇して低い雲が できたと思われる.10時43分観測終了,離脱.  神津島に向かうが,高度100m以上はもや,雲がひどく,南岸から空港滑走路が全く見えない(写真6). 神津島への着陸をあきらめ,新島空港に向い,11時16分着陸.給油を行ない,天候の回復を待つが,天候不 良のため神津島には寄らず,東京へ向うことになる.三宅署長ともう1名はここで降りる. 新島を13時01分離陸.城ケ島西,逗子,横浜を経て13時49分東京へリポートへ帰還. 火山活動が活発になってから1年.都の広報カメラマン氏も取材のため同乗するが,期待通りの撮影は難し かった.しかし,ガスは出続けている. ○ 噴煙の様子 白色噴煙が,低い雲を突き抜けて上がる.高度はヘリとほぼ等しい海抜1000〜1100m位 (火口上200〜300m)まで.東に流されるが,島の上空で消散している(写真2,3).量は多くない.力強 くもない.島から東方に向い南側に低い雲,北は雲なし.その境界に沿ってガスが拡散せずに流されている (写真4). ○ カルデラ壁,カルデラ底,亀裂  観察できなかった. (津久井 雅志) 写真1 北からみる.雲が低く地形に沿ってかかる.噴煙は雲の上へでた後,短い距離で消散.ガスは赤場暁 の向こう側を左へ(東へ). 写真2 南からみる.低い雲がべったり覆う.わずかに白色噴煙が突き抜けてでている.力強い感じではない.山頂部は見えない. 写真3 ガスは白色噴煙から別れて東へ向う.写真4 西から坪田地区を見る. 写真4 ガスは雲のきれる境に沿って延々東へ拡散せずに流れている. 写真5 新鼻上空から南西海岸をみる.海岸線から一歩はいると雲.海岸線の延長方向には雲をかぶった神津 島がみえる.その右の方に式根島,新島も雲をかぶっている. 写真6 神津島南から空港方面をみる,滑走路が全く見えないため着陸できずに,新島へ. 写真7 雲をかぶった大島.東から. 写真8 雲をかぶった御蔵島.三宅島南岸から.