2000年10月15日 東京消防庁「ちどり」立川基地所属(クルー3名) 観測者:中田節也、伊藤順一(地質調査所) 東京へリポート8時55分発 11時20分着(神津島経由) 観測時間:9時45分〜10時15分 天候:曇り。三宅島までの途中に雲海あり。  三宅島ではカルデラ直上で弱い北東の風。さらに上空では南東の風。カルデラの直 上(約800m)には雲が停滞しているため、上方からはカルデラを観測できない。  飛行コースは北西より入り、島を一周半しながら周回道路の状態を観察した後、北 東側(スオウ穴)から南にホバリングをしながらカルデラの内部を観察する。途中、 アイセーフレーザー(九大島原から借用)とクリノコンパスを用いてカルデラ内部の 高度測定を行った。  周回道路では、神着2箇所、椎取神社、赤場暁、三池、大路池西方2箇所などで泥 流による泥が道路上に堆積している。東斜面ではカルデラ縁から深いガリーが複数あ るのが目立つ(特に新しい事実ではない)。10時頃、神着の周回道路を行く黄色い 作業車と後続の白いワゴン車あり。重力班か?  噴煙はカルデラの南西側でこぼれるように外斜面に溢れ、青白い噴煙は白色噴煙か ら分離してレストハウスからその北方にゆっくり流下しながら停滞している。火口か ら出ている噴煙は白色で、火山灰の混入や土砂噴出などの形跡は見られない。  カルデラ内部はこれまでと大きな変化が見られないが、火口からの泥流跡は認めら れない。北側壁では新しいと思われる崩落の跡は見られない。  スオウ穴から南方向にゆっくり進みながらホバリングしてもらい窓を開けて測定を 行った。フライト高度は720m。対地高度は約90〜75m。丸い高まりの中央にある 岩塊と、赤池と南の流山群の間のやや平坦部中央にある岩塊付近までの距離をアイ セーフレーザーで、角度をクリノコンパスで測定した。複数回測定を繰り返し値を確 認。2地点とも標高約230mとなった!主火口の北縁の標高を同方法で測定し標高 290m。元の山頂駐車場(標高710m)からの深さに換算すると約480mとなる。  ビデオは伊藤氏が担当したので、気象庁でダビングしてコピーをもらった。 (中田節也)