10月22日(日) 東京へリポート。警視庁ヘリコプターおおとり6号(JA6786) 立川基地から飛来。クルー3名。警視庁災害対策本部交代要員4名同乗。 観測者:中田節也、高田 亮(地質調査所) 天候:東京曇り、三宅島曇り(小雨混じり) 9:00東京へリポート出発 外気温16℃。北東の風。三宅に近づくに従い東風に。大島山頂すれすれに雲がか かる。 新島辺りで最も雲底が低い。それ以南はやや高めの雲底。 9:55頃 三宅島到着。 (コース)飛行高度は700mから900m。神着から右にカルデラ縁を見ながら南下。 折り返して伊豆方面から右にカルデラを見て南下。3回目にドアを開けカルデラの 北北東側(スオウ穴の西)で810mの高度でホバリングをしてもらう。 (噴煙)噴煙は東風に流され西方へ。一昨日の降雨のせいか、白っぽい噴煙が火口 の半分近くの面積を占めて噴出している。900m以上は雲のため見えない。気象庁 経由の海上保安庁の情報では噴煙の高さは1000〜1500m。 噴煙はカルデラ縁の 南側から西側部にかけて溢れ、西側に流されている。 青色噴煙は低くめに垂れこめ て神津島方向へ流れている。 神津へ向かう際に硫化水素らしい硫黄泉の臭いがした が、それ以外は臭わず。 (カルデラ底)カルデラ底には多くの水溜まりが新しく形成されている。元々あっ た池も水位が上がっているようだ。北東側で赤褐色であった水溜まりは緑色に戻っ た!塩素ガスが増えてきたせいか。また、北西側の小さな黒っぽい赤褐色であった 小水溜まりは増水し、色が普通の赤褐色になった。泥が北東側の池に流れ込んでい る。底でドーム上(人によっては隆起部と呼ぶ部分)の広い小山は南東側(池側) と北側が雨で(?)侵食され緩い崖が出現し、頂部の変則三角形(三日月型)の台 地が残っている。この台地表面に亀裂が入るなどの状況にはまだなく、特に、この 部分が上昇し続けている積極的な証拠はないようだ。標高測定はやや高めの値も出 たが、角度測定精度が悪いためなんとも言えない。 写真のステレオ図参照。 (カルデラ底高度)カルデラ縁、海抜810mで約5分間ホバリングをしてもらう。ア イセーフレーザーとクリノコンパスによる測量を複数箇所で行った。北東側池の周囲 2箇所で標高約230m(誤差は+/-30m程度)。小山の頂上部でも280m程度とやや 高めの高度がでる。北西池のそばで約240m。主火口の北付け根で約300m。1週間 前と大きな変化は見られない。測定精度を上げるには伏角を正確に計らないといけな い。今は5°が精度の限界。 (カルデラ壁)北側壁の新しい崩落は見られない。一昨日の雨の後はほとんど崩れて いないようだ。 スオウ穴の水の色は変わらないがやや水位が上がっているようだ。 (泥流被害)泥流による被害は神着地区で1週間前より顕著。時間の都合で周回道路 はほとんど見学せず。 10:20 三宅島離脱 10:30 神津島着(4名降りて1名搭乗。給油と休憩) 12:05 東京ヘリポート着。その後気象庁へ。 10月21日のコスペックの結果は1〜2万トン/日。ややこれまでより少ない。気象庁 の阿古〜坪田のGPS基線長が18日頃からやや伸び始めているとか。 (文責:中田)