11月15日(水) ヘリコプター:警視庁(おおぞら) 搭乗者:金子,伊藤(地調) 午前9時05分東京ヘリポートを離陸,9時57分三宅島上空到着.はるか上空は曇ってい るが,三宅島付近に雲はなく,全体が良く見渡せる.噴煙の高さは1500mで,北東に 向かって流れる.ミストは赤場暁方面へ下っている.噴煙は,定常的にわき上がって いるように見える.噴煙の色は白で,降灰はない.噴煙を避け,西側からカルデラに 沿って観察する.カルデラ内に,もやはなく,見通しがきく.スオウ穴の西側の肩の 部分が大きく崩れ,赤褐色の面が露出し,スプーン状にえぐれているように見える. この崩壊堆積物により,以前からカルデラ床北側にあった水溜まりの東側半分がほと んど埋められてしまった(南東の端の部分は残っている).この崩壊は,11月6日に はすでに起きていた可能性が高い.また,マウンドに接するカルデラ壁西側も崩壊 し,赤褐色の面が露出している.ただし,下に堆積しているテーラスの量から見て, 崩壊量は多くなく,ごく表面が崩れているだけと思われる.細かく見ると他にも,カ ルデラ内では小規模な崩壊が随所で起きているようだ.火口の手前(北側)の泥水の 領域も次第に拡大している.以前にできた三日月型の水溜まりも,泥水とつながって しまった.噴煙の出ている場所と以前と変わりがない.ただし,気象庁の潟山さんの ご指摘のように,噴煙の量が減ったためか,火口域が比較的よく見える(ガスが薄く 見える感じ).10時22分観測終了,神津島へ向かう.神津で2名載せ,東京へ.ヘリ ポート到着,11時24分. (金子)