12月11日(月) 今回の同乗者は斉藤元治氏(地調)の他,災対関係者1名.搭乗したヘリは 警視庁の「おおとり8号(窓の開くタイプ)」でした. 斉藤さんの乗ったバスが渋滞に巻き込まれた影響により,出発が少々遅れる. 午前9時33分,東京ヘリポートを離陸.10時30分,三宅島上空に到着し, 10時51分までのおよそ21分間観測を行った.途中神津島に立ち寄り, 災対関係者の入れ替えを行った後,11時13分神津島を離陸,帰途につく. 12時5分,東ヘリに帰還. この日は,伊豆大島から三宅島が遠望できるほど視程がよかったにも関わらず, また,わざわざヘリの窓を開けていただいたにも関わらず,カルデラ内に水蒸気と ガスが充満していたため,カルデラ内部を観察することは出来ませんでした. そのため,今回は島の北西〜南の範囲から噴煙の観察を行いました. [噴煙] この日の噴煙は,強い西北西風にあおられ,東南東方向(三宅空港上空)に 流れていた.噴煙の色は白で,所々硫酸ミストの青い煙がまとわりつく. 噴煙の到達高度は海抜1000mほどで,三宅島の山頂よりやや高い高度に 推移している.ガスの放出は連続的であるが,時々勢いが増し,やや高所に まで水蒸気を上げる.そのため,噴煙を観察すると,高所まで上昇した雲の かたまりがぽこぽこと認められる. [カルデラ内部] 水蒸気とガスが充満していたため,内部を観察することは出来なかった. [山麓および山腹] スオウ孔の色は先週のフライト時と同じく茶褐色を呈し,やや落ち着いた 色調を保っている.島の北側(大久保あたり)にある貯水池の色はどぎつい 赤褐色を呈するが,村営牧場付近の貯水池は緑色を呈する.観察した限りでは, 新鮮な降灰や泥流は認められない. (大野 希一)