平成14年5月22日(水) 三宅島火山噴火調査 観測時間 東ヘリ916→大崎→丸子橋→城ケ島西側→大島東沖→1010三宅島上空観察1035→1050新島(給油・昼食) 1242→1255COSPEC観測1351→城ケ島西→横浜→1450東ヘリ (警視庁 おおとり1号 JA9602 クル−3名 ) 観測者   津久井 雅志  (千葉大)   石塚  治   (産総研)   尾台 正信   (気象庁)   飯野      (気象庁)  天候:東京 晴れ〜三宅 くもり  9時16分,東京へリポート離陸.晴れていたが,南に向かうにつれて雲の量が増えていく.高度1100m〜 1400mで南下.風は弱く,波穏やか.  三宅の白色噴煙の高度は最高(海抜)1500〜1600m.層状の雲が1000mくらいの高さに広がる.島の北か ら進入し,1100mの高度で時計周りに海岸沿いに新澪まで南下,旋回した後,カルデラ北西−西−南を3回ほ ど観測して終了.新島で給油と昼食の後,COSPEC観測(高度100)を5マイル離れて時計周りに神着から1周 と4分の3して阿古で終了.3500ft(1100m)では風向215°,風速5ノット(〜2.5m/s) (13時55分 )300ft( 100m)では, 350°,7ノット(〜3.5m/s) (COSPEC観測中). 噴煙の様子 風が弱い(のと逆転層ができている??)ため,いつもと様子が違う.白色噴煙は火口上を700 〜800m上昇するが,なびいている様子はみられない(写真1).火山ガスは火口上に上がった後,海抜高度 1000m付近以下で山腹一帯に広がる(写真2).カルデラ観測の際に飛んだ東〜南〜西山腹の高度1100mは硫 黄臭がきつく,観測者,クルーとも咳き込む.簡易SO2測定器では数ppmから最高9ppm,アラーム音が鳴り 続ける.しかし,三宅の地上ではどこも高濃度のガスは観測されていないと気象庁現地職員が確認したとのこ と.たしかにCOSPEC観測時にはほとんど臭いを感じなかった.  高濃度のガスのため,カルデラ縁にはあまり近付けなかったが,カルデラ内では南よりの主火口から主に白 色噴煙が排出されているのを確認した.先週5/15よりは若干噴煙量は少なめに見える(写真3).ガスは,山 腹斜面を広く流れる .  飛行した西〜南西ではカルデラ縁に大きな変化は認められない(写真3).カルデラ底中央の池を確認した(写真4). (津久井 雅志) 写真 1. 北東海上から.白色噴煙の(海抜)高度は,ほぼ島の高さの2倍(+α)くらい.およそ1000mの高度に 層状の雲が見える.この部分のSO2濃度が高かった.白色噴煙の右上は風防がラスについたゴミ(虫?)によ るぼけ. 2. 南西からみたカルデラ縁.カルデラから溢れたガスが山腹に広がる. 3. 西からみた火口.白色噴煙は濃い,5/15よりは若干噴煙量は少なめに見える.(北側)主火口の”水(ま たは泥)たまり”は本日条件が良くないため確認できない.カルデラ内は,強風時に噴煙,ガスが滞留するの とは明らかに様子が違う. 4. 火口とカルデラ底の様子.中央付近の池は5/15の金子さん,川辺さんの報告とほとんど変化がないが,周 囲も湿地帯のようにみえる.カルデラ壁の亀裂も変化はないようである.