2002年8月21日(水) 観測ヘリコプター:東京消防庁つばめJA9980 観測者:吉本,中堀,山本(気象庁,COSPEC) 観測時間:13時26分 〜 14時11分(火口観測), 搭乗時間:09時43分 〜 16時04分 天候:晴れ,2500ftでは北の風 8m/s,300ftでは東北東の風,地上では北東の風 3-7m/s 9:00 集合 9:43 東京へリポート離陸.中堀,山本(気象庁),古屋氏(地震研,重力班)クルー3名. 10:29 三宅中学着陸,古屋氏降機,COSPEC観測の準備 10:35 三宅中学離陸 10:43 午後から風が弱まるとの予報のため先にCOSPEC観測開始 観測は火口から5mile,高度100mで2回行った.風下ではSO2のにおいを感じたが,強いものではなかった. 11:20 神津島着,給油・昼食 13:13 神津島離陸 13:26 火口観測開始 噴煙の様子:噴煙は白色で,高度はカルデラリムから500-600m程度(写真1).白色噴煙の量は少ない.水 蒸気から成る白色噴煙はカルデラの上で停滞し,青白色のガスだけが南西に流れていた. 火口の状況:主火口からは青灰色ガスの噴出が主で,白色噴煙の噴出は少ない.青灰色のガスは主火口南側・ 北側両方から出ている(写真2,3).白色噴煙は主に主火口内の南側から出ており,主火口内北側の噴煙の量 は少ない(写真4).白色噴煙の噴出量は一定でなく,多いときでもそれほど量は多くなかった.気象庁の赤 外カメラでは火口の温度が311℃であった.噴煙などの遮るものがなかったため普段より高い温度を示したと 考えられる. カルデラ壁及び内部の状況:カルデラ内部に複数の池を確認,7月12日のフライト(金子氏)の写真3と比べ て池の個数は変わらないものの,やや面積が大きくなっている.褐色であった北側の池,明褐色であった中 央・南側は緑色になった(写真5).東側にある小さな池は褐色のままであった.カルデラ壁の新しい崩壊, 亀裂共には確認できなかった.カルデラ内の崖錘堆積物にも変化がない(3月25日大島氏写真13参照)(写 真6).これまであったスオウ穴付近の亀裂は崩壊せずに残っている(写真7).カルデラ南東壁が綺麗に見え た(写真8). 山麓部の状況:今回の台風による泥流等の被害はなかったように見えた(写真9). 14:11 観測終了 14:16 三宅中学着陸,古屋氏搭乗,すぐに離陸 14:41 神津島着,給油 15:16 神津島離陸 16:04 東京へリポート着陸 (吉本充宏) (写真) 1.南方から見た噴煙の様子.白色噴煙カルデラの上に停滞し,青灰色のガスが南西方向にたなびいている. 2.主火口の様子.主に南側から白色噴煙が出ている.量は少ない. 3.主火口拡大写真. 4.主火口北側拡大写真 5.カルデラ内部の様子.複数の池が確認できる.池の面積は最近の雨のせいで大きくなっている.水の色も 変化している.7月12日(写真3)参照. 6.カルデラ内南西側の崖錘.3月25日(写真13)の時点と比較しても変化なし. 7.スオウ穴西側の亀裂.7月12日とほとんど変わっていない. 8.南東側のカルデラ壁. 9.北東側山麓の様子.