三宅島火山噴火調査 観測日時等 平成16年1月20日(火) 観測時間  13時14分−13時50分 搭乗時間  9時30分−15時30分                 東京消防庁立川防災基地938→953横須賀VOR→1025三宅空域→COSPEC観測1057 →1117新島空港(給油・昼食)1301→1314三宅火口観察1350→1403新島空港(給 油)1441→大島東沖→1526立川基地 東京消防庁 かもめ JA9692(SA365N1ドーファン) クル−4名(檜山機長) 観測者氏名 津久井(千葉大),森(東大),中堀・道端(気象庁)    天候状態 東京 はれ  三宅上空 曇り 飛行経路  9時08分,立川防災基地離陸.東京は快晴,視程良好.富士山が見える(写真13). 大島三原山には雪が残る.大島―三宅間,三宅東沖は雨,三宅島上空は高度1000m(午 前)〜1500m(午後)以上に雲がかかる.西の風,風速3.5m/mくらい.COSPEC観測 を三宅島北東〜南東沖で1往復半行なう(山頂からの距離5mile,高度300feet,60ノ ット).島の南を通って新島まで飛行.  給油後三宅島カルデラの北東〜北西〜南西を往復して火口観測を行なった後,南南西の 火口監視カメラ設置予定地の確認(ヘリ輸送のための下見)を行なった.新島で給油をお こなって立川基地に帰投. 観測結果 ○ 噴煙 白色噴煙は,午前は西風にわずかに流されながら上昇し海抜900〜1000mの 層雲に達していた(写真1).午後はときおりサーマル状にとぎれる(写真2,3)ことがあ り,海抜1200〜1300mまで上昇していた.  青白い火山ガスはカルデラ内に漂う(写真4)がカルデラ外側ではめだたない.SO2 ガス臭は赤場暁上空1000mでわずかに感じただけで,COSPEC観測時5マイル沖では 感じなかった.風が弱く,吹き降ろされなかったためかもしれない.SO2放出量は,4500, 3600,2800トン/日とのこと.測定値はこれまでの最低レベルである. ○ 火口 噴煙の量は前日の雨の影響のためか,やや多め.火口内の様子は観察できない (写真3).火口の温度は178℃とのこと.噴煙のため低い値のようである. ○ カルデラ壁 東,北,西のカルデラ壁の写真を載せる(写真5〜7).めだった変化は ○ ない. ○ カルデラ底 中央から北東方向の崩落物は10月21日以降,変化は認められない. 水たまりの水位は低下している(写真8-1今回,写真8-2 2003Oct21の比較). ○は比較基準になる岩塊,岩脈. ○ カルデラ縁の割れ目 変化はないようである(写真9). ○ 砂防工事の様子を3箇所示す(写真10〜12). 写真 1 南東沖から見た三宅島(午前).海抜約1000mに雲がかかる.噴煙は雲の中ま で上昇. 写真 2 スオウ穴上空から見た火口のようす.噴煙のため火口は見にくい.午後は写真 のように噴煙は途切れることがある. 写真 3 カルデラ北東上空から見た火口の様子. 写真 4 火山ガスがカルデラ内を漂う様子.カルデラの外では目立たなかった. 写真 5 カルデラ東壁の様子. 写真 6 カルデラ北壁の様子. 写真 7 カルデラ西壁の様子(スオウ穴上空から). 写真 8-1 西から見たカルデラ底の様子. 写真 8-2 西から見たカルデラ底の様子(2003年10月21日). 写真 9 旧登山林道西側の割れ目.変化なし. 写真 10 赤場暁−地獄谷の砂防工事の様子.  写真 11 龍根上流南山腹の砂防工事の様子. 写真 12 村役場背後の砂防工事の様子.  写真 13 搭乗機のかもめ.立川基地からは富士山もくっきり見えた.