三宅島火山噴火調査 観測日時等 平成16年3月9日(火) 観測時間 10時26分−11時03分 搭乗時間   9時31分−15時02分                 東京ヘリポート932→横浜→横須賀VOR→1026三宅火口観察1103→1118新島空港(給油・昼食)1306 →1324COSPEC観測1401→大島東沖→1501東京ヘリポート (警視庁 おおとり6号 JA6786 (クル−3名)) 観測者氏名 津久井(千葉大),中堀・菅野(気象庁)    天候状態 東京 はれ  三宅上空 はれ ときどき 曇り 飛行経路  9時32分,東京へリポート離陸.東京は晴れ,1000m以下はうすもやがかかり,それ以上は視程良好. 富士山が見える(写真10).利島以南の高度1000〜1300 mには層状の雲がところどころかかる.雲の 下の1000〜1100m高度でカルデラ縁を時計回りに南→西→北→北東を4回繰り返して火口観測.  新島で昼食・給油後 COSPEC観測.火口の7マイル東で北→南→北を2往復,5マイル東を1往復観 測して終了. 三宅周辺では,午前,午後とも西の風(260°〜270°),風速24〜20ノットであった. 観測結果 ○ 噴煙 白色噴煙は,午前は西風に流されながら上昇し層雲に達していた(写真1).午後は海抜1000m くらいまで上昇し,火口上空から流されると間もなく消散(写真2)していた.白色噴煙の量は多く,カル デラ内に充満している(写真3)ため,火口,カルデラ底の様子は噴煙の合間からときおりみられるのみ. 青白い火山ガスはカルデラ外側ではわずかにみられる(写真3).SO2ガス臭はCOSPEC観測時にわず かに感じた.中堀さんによれば,SO2は3300〜5100トン/日. ○ 火口 噴煙の量はやや多めのため,火口内の様子は観察できない(写真4).熱赤外カメラによる火口 内最高温度は滞留した噴煙に遮られて,150℃以上と測定されるのみ.     ○ カルデラ壁 西,北,東のカルデラ壁の写真を載せる(写真5〜7).めだった変化はない. ○ カルデラ底 中央から北東方向の崩落物は1月20日以降,変化は認められない.水たまりの水位もほ ぼ変わらない(写真8-1,写真8-2は今回,写真8-3は2004,Jan.20の比較).○は比較基準になる岩塊. ○ カルデラ縁の割れ目 ガス観測用のパイプ?が写っている(写真9). 気象庁 中堀さん,飯野さんは移動により,それぞれ名古屋,札幌に転出とのこと,お世話になりました. ありがとうございました. 写真 1 北から見た三宅島(午前).海抜約1100〜1300mに雲がかかる.噴煙は雲近くまで上昇. 写真 2 東北東から見た三宅島(午後).海抜約1000mまで.東〜南東山腹(写真左山腹)にわずかに青 白いガスがはい降りてきているようにみえる. 写真 3 カルデラ北(スオウ穴)上空から見た火口の様子 写真 4 上空から見た火口の様子 写真 5 カルデラ北西壁の様子(南側から) 写真 6 カルデラ北壁の様子 写真 7 カルデラ北東壁の様子 写真 8-1 北西から見たカルデラ底の様子 写真 8-2 西から見たカルデラ底と北東壁の様子 写真 8-2 西から見たカルデラ底の様子(2004年1月20日) 写真 9 火口背後の割れ目とガス採取用パイプ?(矢印の先) 写真 10 逗子上空からみた富士山