重力測定の原理・方法

分類 I:[絶対測定方式と相対測定方式]
[相対測定方式]
下図の相対重力計は10キログラムと軽量ながら、1億分の1程度の相対精度をもち、 10分程度で1測定が終了する程、簡便である。 空間的に多くの点で重力値を決定する場合に、よく用いられる. まず、ある一点(基準点A)で 重力値を精密に決定しておき、 その他の各点では基準点Aに相対的な重力差DGを測定する方式 である.

[絶対測定方式] 
他の基準点に準拠した相対重力測定は不向きな場合もある(基準とした点の重力が不変か、否かがわからないので)。 その際には絶対測定方式により、 問題となっている観測点の重力値そのものを10億分の1の超高精度で決定する.下図は地震研究所や国土地理院でつかっているFG5というタイプ。

分類 II:[繰り返し観測と連続観測]
[繰り返し観測]
空間的に広い地域の重力変化を求めるために、対象地域内に測定点を配置し、 同一点で測定を繰り返す方式である。繰り返しの頻度は様々であるが、 伊豆半島や東海地方では年に数回程度の繰り返し頻度である。
[連続観測]
下図は京都大学理学部や国立天文台において連続測定に用いられている、GWRというタイプの超伝導重力計である。 重力の相対的な変動量を1兆分の1g(ジー)という驚くべき超高精度で 測定できるというすばらしい能力を持っている。 これはわずか0.003mmの地盤隆起をもとらえうる能力に相当する。 この重力計は零下269゜Cの液体ヘリウム温度ではニオブという金属の電気抵抗が ゼロになり、永久電流が生じることを利用している(超伝導状態)。 ニオブの超伝導球は、その周囲にめぐらされた超伝導コイルから磁気反発力をうけるので(マイスナー効果)、重力に抗して浮上することができる。 コイルに流す電流が重力に比例するので、これから重力変化を換算するという仕掛けである。


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