(3)ローカルスケールの研究

 グローバルからリージョナルなスケールでは,構造でいうとマントルが対象となりますが,ローカルスケールでは地殻が対象となります.地殻構造は,当然地震や火山の活動に密接に関連していると考えられ,地震活動の活発な地域や火山地域において集中的な観測を行います.また,地震や火山活動に関連した電磁気現象の研究も重要なテーマです.このような現象の発生には,地殻内部の流体(水やマグマ)の関与が重要であると考えられています.

現在は,伊豆大島においてマグマの動きを電気伝導度をパラメータにしてイメージングするという新しい測定システムの開発を行っています.伊豆大島は,27年前(!)に私(歌田)が修士課程の学生として地震研における研究生活を始めた時に指導教官から研究対象として与えられたフィールドなので,それなりに思い入れがあります.1986年には,大規模噴火活動を経験し,火山を研究する面白さを堪能しました.また電磁気観測結果をもとにして,噴火準備段階から噴火に至るプロセスについて,私なりにある程度考えをまとめることができました.システム開発は,次の噴火でこの考えを検証するための観測を行うことを目的にしています.