Associate Professor, Division of Global-dynamics, Earthquake Research Institute, Univ. Tokyo
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火山噴出物はマグマ源の組成のみならずマグマの噴出過程も記録しています.例えば、石基鉱物や気泡の大きさ・量・形状、斑晶の組成累帯などは、マグマ溜りから噴火までの様々な物理プロセスの情報を秘めています。また、斑晶のガラス包有物は、揮発性成分も含めたマグマ源の組成を知るのに有力な手がかりになるので、今、最も注目されている研究対象の一つです。
例えば,2000年三宅島の噴火の場合大量のSO2ガスの放出が起き,その原因が様々に議論されていますが、ガラス包有物の分析結果はモデルの重要な制約条件となっています。*1, *2
EPMAやFTIRといった装置を用いてのミクロな火山噴出物の解析からマクロな噴火の姿に迫ることができるのが、この研究の醍醐味です。 また,揮発性成分の中でも,マグマ中の「水」は火山の爆発的な噴火をコントロールする最も重要な要素ですが,これを簡便に正確に定量するための分析手法の開発を行いました.*3,*4 その手法を使っての様々な研究が進行中です.*5,*6,*7,*13 最近では,フィールドエミッション型EPMA装置を研究に導入し,微小領域の組織や組成を計測することができるようになりました.この最新鋭の装置を使って,火山の噴火準備過程や噴火の推移把握に役立つような物質科学的研究に取り組んでいます.*8,*14,*15 |
火山噴火現象はなかなか複雑です.物理的情報,化学的情報,過去の事例,ありとあらゆる情報を総合し,重要性を評価しなければ,現象の本質をつかまえることは困難です.まだ始まったばかりですが,様々な情報を統合・整理して,判断や思考の補助に役立てるシステムを構築することを目指しています. 火山センターの金子さんを中心とするRealVOLCプロジェクトでは,人工衛星の赤外画像による日本を含む東アジア全域の火山噴火監視システムを構築し,様々な火山噴火発生の迅速な把握と噴火推移のモニタリングに取り組んでいます*9,*10,*11 さらに,防災,減災の観点から,降下火砕物,火砕流,溶岩流などのリアルタイムシミュレーションなども組み込みつつあります.*12私は,主にWWWシステムの構築やシミュレーションのCGIインターフェイスなどを担当しています. |