平成13年度 東京大学地震研究所共同利用(研究集会)講演論文集

Lバンド干渉SARの重要性
(研究課題番号:2001-W-04)

申請代表者:高知女子大学 生活科学部 大村 誠
東京大学地震研所 担当教官:大久保修平
日程:2001(平成13)年10月29日(月)〜30日(火)
開催場所:東京大学地震研究所(東京都文京区)

Proceedings of 2001 ERI Workshop on
'Significance of L-band Interferometric SAR '

October 29-30, 2001
Earthquake Research Institute,
University of Tokyo, Tokyo, Japan
(Workshop: 2001-W-04)



まえがき

 平成13年度 東京大学地震研究所共同利用(研究集会)「Lバンド干渉SARの重要性」(研究課題番号:2001-W-04)が,2001年10月29日(月)〜30日(火)の2日間にわたり,東京大学地震研究所(東京都文京区)において開催されました。大学・研究機関・企業から,地球科学・農学・工学ほか広範な分野でSAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダ)に関わっている研究者・企業人・学生など64名の参加があり,24件の発表・議論などが行われました。

 この集会の特徴は,干渉SARの中でもLバンド干渉SARの重要性を強調することにありました。急峻な地形と温暖湿潤な気候をもつ日本列島のような地域での干渉SARでは,より波長の短いCバンドなどと比較して,Lバンドを用いると干渉処理の条件がずっと良好となることが,我が国のJERS-1 SARの干渉処理実績の積み上げによって示されてきました。この集会では,干渉SAR技術そのものの課題や,具体的応用研究(地震,火山,地盤沈下,地表被覆変化など),さらに将来の干渉SARについての発表・議論などを通じて,Lバンド干渉SARの実績と将来について理解を深めることができました。詳しくは,この論文集に納められた論文をご覧ください。

 今回の研究集会では,各分野の興味深い研究成果をもとに,自由な雰囲気の中で率直な議論が行われたことが大変幸いでした。とくに,JERS-1以後に期待される次の民生用衛星搭載LバンドSARは,我が国が2004年に打ち上げる予定のALOS搭載PALSARであることをふまえて,それまでにJERS-1 SARデータをさらに活用して解析の実績を積み,PALSARデータの干渉処理が直ちに広範な分野で応用されるよう,ユーザ側の体制を強化することの重要性も指摘されました。一方,衛星搭載LバンドSARが現在のところ運用されていないことや,ユーザごとに利用の目的が異なること,さらには我が国の宇宙開発を取り巻く厳しい状況などから,Lバンド干渉SAR応用の拡大は必ずしも容易ではないとも思われました。今後,ことあるごとにLバンドSAR干渉の重要性をアピールし続けることの重要性が,参加者の共通認識となったと思います。

 発表・参加していただいた皆様のご協力に感謝いたします。担当教官の大久保修平教授をはじめ東京大学地震研究所の皆様,InSAR技術研究会の皆様には研究集会の運営にあたり,大変お世話になりました。この論文集の作成にあたっては,奥山 哲さん(京都大学大学院)にご尽力いただきました。また,本研究集会は,東京大学地震研究所共同研究プログラムの援助を受けました。ここに記して,お礼申し上げます。

研究集会申請代表者  高知女子大学 生活科学部 大村 誠

2002年5月24日



お願い:この論文集に納められた論文を引用されるにあたり,承諾が必要な場合には,それぞれの論文の著者から承諾を得ていただくようお願いします。



講演プログラム(日本語)

Program (English Version)