2.5.3 活断層-震源断層システム

内陸地震の長期評価や発生メカニズムを理解するには,地震発生層底部から表層に至る一つのシステムとして活断層-震源断層を理解する必要がある.このため,反射法地震探査,変動地形学,地震観測などによる総合的な解析による震源断層のモデル化を行ってきた. 新潟の断層褶曲帯(図18),東北地方南部,首都圏の伏在断層,北陸地域で,反射法地震探査と地質構造の解析による震源断層のモデル化を進めてきた.また,共同利用による研究として東北・九州地域の断層モデルを構築してきた.とくに日本海東縁の背弧中絶リフトにより,大規模なウェッジスラストの構造が明らかになった.こうした断層モデルは,地震災害予測のみならず,断層の動きやすさの力学的な評価,プレート境界とプレート内地震との相互作用など,様々な活用が期待される(図19).