2008年 新燃岳(霧島火山群)の噴火について | Last updated: 2008.9.4. |
東京大学地震研究所 |
2008年8月22日16時34分ごろ、霧島火山群新燃岳における小規模な噴火を観測致しました。現在の噴火警戒レベルは2となっています。(22日17時頃に引き上げ)
【解析結果】 地震研究所火山噴火予知研究推進センター、鹿児島大学理学部
8月22日16時34分頃に発生した噴火の噴出物のうち,新燃岳東側の2箇所において採取された火山灰試料の顕微鏡観察を行った.その結果,噴出物の80〜90%は古い溶岩片で,そのうち約半分は変質しており,新たなマグマが関与した積極的な証拠は得られなかった.このことから,8月22日の新燃岳噴火は,水蒸気噴火であったと考えられる.
- 霧島新燃岳 全磁力観測
← クリックでリンクへ
- 地震波形モニター
← クリックでリンクへ
準リアルタイムモニタリングとは:
地震研究所火山噴火予知研究推進センターが 1999年より東京大学生産技術研究所とロンドン大学キングスカレッジと共同で開発を取り組んできた 衛星リモートセンシングとウェブの結合による観測・情報発信システム
【噴火活動の状況】
(8月24日15時時点 : 気象庁による解説情報に基づく)
火口縁上700mの噴煙を観測。
新燃岳火口の外西側の斜面と火口内南側で噴煙が上がっているのを確認。
(8月22日17時時点 : 気象庁による解説情報に基づく)
8月19日から火山性地震がやや多い状態。
22日16時34分から振幅の大きな火山性微動が観測されている。
新燃岳の北東おそよ10kmの小林市付近で、降灰混じりの雨が観測された。
やや多い状態が続いている。
19日以降の火山性地震の回数(気象庁による速報値):
火山性地震 19日 81回 20日 167回 21日 183回 22日 312回 23日 99回 24日 50回
平成19年12月1日より導入された噴火予報・噴火警報。
【レベル5(避難)】 危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】 警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時要援護者の避難等が必要。
【レベル3(入山規制)】 登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】 火口周辺への立入規制等。
【レベル1(平常)】 火口内等への立入規制。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なりますのでご注意ください。)
火山で起こる地震や微動には様々な種類があり、その違いは地下で進行している活動の違いを反映していると期待される。 この分類の仕方にはいろいろあるが、大きく分けると下記のようになる。
- 火山性地震:火山の地下でのマグマの移動などによる火山活動によって発生する地殻の微小破壊による地震。
- 火山性微動:地震計にとられる火山特有の振動。波形や継続時間が長い(数日間に及ぶ場合もある)から、火山性地震とは区別される。 噴火に先行することも多く、噴火予知の立場からは重要。
|