2012年12月7日 17:18頃の三陸沖地震

ウェブサイト立ち上げ: 2012年12月7日

最終更新日:2012年12月12日

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2012年12月7日17:18頃の三陸沖地震

 7日 17:18頃 マグニチュード7.3の地震が三陸沖で起きました。
この地震は東北太平洋沖地震の沖合、アウターライズ付近で発生した地震と思われます。

このサイトは、地震研究所内の個々の研究者の研究成果・解析結果を掲載したものであり、地震研究所としての公式見解を発表するものではありません。


Wphaseによる震源メカニズム自動解析結果

世界中で観測された、この地震による地震波の記録からWフェーズを取り出し、Kanamori and Rivera (2008)の方法で解析した結果であるが、解析システムは自動化されており、今後の詳細は解析により、解が変更になる可能性があります。

震央のマップ

 

(鶴岡弘)


地震研究所で観測された強震速報(三陸沖,17:18,M7.3)

地震研究所に設置されている地表観測点(海洋倉庫脇)で観測された強震波形の画像。 上からNS,EW,UD成分の並びで、横軸は9分間となっている。 計測震度(参考値)は3.3でした。

(宮川幸治)


12月7日(M7.3)の地震の揺れの広がる様子

防災科学技術研究所のK-NET、KiK-netデータを可視化。(画像クリックで再生)

(竹本帝人・前田拓人・等々力賢・古村孝志)


長周期地震動極性から明らかになった逆断層成分  (画像クリックで拡大)

(a) Global CMTカタログの2つの地震のうち逆断層メカニズムから期待されるP波初動極性の空間パタン。(b) F-netメカニズム解から期待されるP波初動極性の空間パタン。図下部に共通のカラースケールを示す。

(c,d)北海道地域および 本州で観測された防災科学技術研究所Hi-net上下動記録の広帯域(5-50秒)ペー ストアップ。観測点特性はMaeda et al. (2011)による時間領域デジタルフィル タを用いて補正されており、振幅は各トレースの最大値で規格化されている。また、ペーストアップは速度7.8km/sでレデュースして表示されている。P波初動極 性が北海道ではup(赤矢印)、 本州ではdown(青矢印)と明瞭に変化している。 これは逆断層のメカニズムから期待される輻射特性と調和的であり、正断層と逆 断層の二つの地震からなる、という可能性を支持するものである。

[文献] Maeda, T., K. Obara, T. Furumura, and T. Saito, Interference of long-period seismic wavefield observed by dense Hi-net array in Japan, J. Geophys. Res., 116, B10303, doi:10.1029/2011JB008464, 2011.

(前田拓人)


遠地実体波からみたメカニズムの推定

IRIS-DMCから収集した73地点の遠地実体波を用いて、Kikuchi and Kanamori(2003)のプログラムによってメカニズムの推定を試みた。2つの三角形パルスを設定したところ、初期破壊部分は逆断層型、破壊開始約 20秒後に正断層型のメカニズムが得られた。全体の地震モーメントは8.8×1019Nm(Mw7.2)、逆断層型(深さ56km)と正断層型(深さ6km)のメカニズムの地震モーメントは、それぞれ 5.9×1019Nm(Mw7.1)、7.8×1019Nm(Mw7.2)であった。 ただし、今後の詳細な解析により結果が変わることがある。

(原田智也・室谷智子・佐竹健治)