東京大学地震研究所
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2014年度地震研究所
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2014年度 オープンキャンパス / 一般公開

ふつうの海洋マントルの探求
歌田久司 (海半球観測研究センター)

今から約百年前に、ドイツのウェーゲナーはいわゆる大陸移動説を提唱しました。1960年代 にいわゆるプレートテクトニクスの考えが生まれ、海洋プレートの拡大によって大陸の移動を含む 地球内部の活動を説明する理論として確立しました。しかし、プレート運動を可能にしているアセ ノスフェア(プレートの下にあるやわらかい層)のやわらかさの原因は謎として残されています。

ここでは、「ふつう」の海洋マントル(海底拡大の時間と共に表面から冷えているマントル)を 対象にした観測研究を紹介します。この研究は、北西太平洋のふつうの海底において地震研で開発 した最先端の海底観測機器による観測を実施し、地震波速度と電気伝導度(電気の流れやすさ)と いう異なる物理量でのイメージングにより、アセノスフェアのやわらかさ原因を明らかにすること を目指します。研究開始当初は、ふつうの海洋マントルの構造は、プレートの冷却期間(海洋底の 年代)だけでほぼ決まっていると予想したのですが、それは見事にはずれました。しかし、予想も しなかった結果が得られるのが、観測研究の醍醐味なのです。