東京大学地震研究所
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2014年度地震研究所
公開講義


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2014年度 公開講義

スーパーコンピュータによる地震のシミュレーション

堀宗朗 巨大地震津波災害予測研究センター教授

京計算機のようなスーパーコンピュータがいろいろな研究分野で利用されています。 このような最新のコンピュータは、 10万近くの計算ユニットを同時に使って大規模な問題を高速に解くことができるからです。 最新のスーパーコンピュータの計算能力を活かすことで、 全く新しい地震のシミュレーションができるようになりました。 例えば、精緻なモデルを使った原子力発電所のような構造物の地震シミュレーション、 建物を一棟一棟のモデルを使った都市の丸ごとのシミュレーション、 そしてエージェントと呼ばれる人のモデルを使った群集避難のシミュレーションが、 新しい地震のシミュレーションです。
本講演では地震のシミュレーション研究の最前線を紹介します。 地震のシミュレーション研究は地震研究所が世界の中核となっています。 研究成果の利用は、国内のみならず、諸外国に広げることが期待されています。


図:構造物の地震シミュレーション(原子力発電所建屋の詳細なモデル)。 数10センチのサイズの「要素」を使って、数10メートル規模の構造物をモデル化する。 構造物の地震動による変形や、内部に働く力を正確に計算することができるため、 構造物の耐震性の評価技術が飛躍的に向上する。



図:都市の丸ごと地震シミュレーション(東京23区の都市モデル)。 約100万棟の全建物に解析モデルを自動で構築し、 一棟一棟の揺れを計算することで、東京全体にどのような被害が起こるかを予測することができる。 地震被害の想定に大きな進歩をもたらすことが期待されている。