11.テストサイトにおける強震観測

駿河湾・伊豆半島と足柄平野における高密度の強震観測網のデータ解析を中心とした,強震動の生成・伝播とサイトの影響に関する観測研究を行なっている.足柄平野の観測網は表層地質による強震動への影響を評価することを主目的として1987年度に設置され,IASPEI/IAEE共同ワーキンググループとの連携で,テストサイトとして位置づけれれている.観測点は露岩上と堆積上に高密度に設置され,平野の中央部および西部では地中のアレイ観測が実施されている.近年は平野部全体のサイト特性の抽出を目的として,大規模・遠距離地震記録の利用や地下構造との関連を明らかかにするために微動のアレイ観測による地下構造の決定を順次行なっている.また,群発地震や大地震の余震観測などは,可及的速やかに観測体制が敷かれる必要があり,科学研究費による共同研究により,可搬型の消費電力の少ない計測器を開発し,余震や微動のアレイ観測に利用している.