4.地震計による構造物の耐震性能検証手法

本研究の目的は,地震防災システムおよび地震後の応急復旧システムの一環として構造物の上下に設置された普及型地震計による計測情報を利用して構造物の耐震性能を評価するための基礎技術を開発することである.当面の主要な対象構造物は,防災拠点として重要であり,耐震診断による構造耐震指標値が評価されつつある小中学校校舎を想定する.防災システムでは,比較的高い頻度で発生する中小地震による計測データを利用する手法として,地盤増幅や相互作用の影響を含む強震時入力地震動の予測手法,耐震性能の高精度評価手法および性能モニタリング手法を開発する.応急復旧システムでは,強震時の計測データおよび性能指標を大地震直後に利用して,警報および応急危険度判定の即時化,被災度判定および残余耐震性能推定の高精度化,応急補強設計および恒久復旧設計の合理化などを可能にする実用化技術を開発する.