6.トルコジャエリ地震の被害調査と構造物の耐震性能調査

1999年8月のトルココジャエリ地震による建築構造物の被害調査では日本建築学会の被害調査団を組織計画して,土木学会,地盤工学会と協力して,調査および報告に主導的な役割を果たした.日本建築学会による建築構造物に関する被害調査の特色は,ギョルジュク市およびデイルメンデレ市の一部における2700棟余りの全数調査により,建築物の構造上の特徴と被害の地域的な分布,構造形式と被害レベルとの関係などを統計的に明らかにしたことである.トルコではこの種の学術的調査はほとんど行われておらず,トルコ国内に対しても国際的にも貴重なデータを提供した.それらの一部は,日本建築学会による速報会およびイスタンブール工科大学における国際会議で公表したが,さらに,詳細な分析も追加し,とりまとめた.報告書は,トルコ側の協力も得ながら,最終的には日本建築学会,土木学会,地盤工学会合同でとりまとめ,現在印刷中である.英語および日本語で作成して,トルコ国の調査協力機関をはじめとする世界の関係機関に配布する予定である.