7.地盤と建物の相互作用の評価

常時微動の結果から地盤と建物の相互作用に関する地盤の等価せん断波速度を推定する方法を開発した.この推定法を阪神地域で行った学校建物の常時微動測定の結果に適用して,地盤の資料と比較し,地盤の資料から等価せん断波速度を求める方法を提案した.この方法は,地盤と建物の相互作用の効果を考慮した建物の耐震設計に応用することができる.また,地盤と建物の相互作用を考慮した地震応答解析を行い,地盤のせん断波速度が小さい場合,低層建物では地下逸散減衰によって減衰が増大して建物の応答が小さくなること,中層以上の建物では相互作用による減衰の増大は小さいこと,兵庫県南部地震のように長周期側に大きなピークを持つ地震動に対しては相互作用による周期の伸びによって応答が増大する場合もあり得ること,等を明らかにした.