9.構造物の実験と解析モデル

既往のRC柱部材の実験結果を参照して,復元力特性に繰り返し載荷による耐力低下をモデル化する取り入れる方法を提案するとともに,耐力低下が応答に与える影響を地震応答解析により検討した.立体弾塑性解析プログラムを開発し,梁の軸方向変形を考慮した鉄筋コンクリ−ト建物の解析を行い,特に隅柱の応力に与える影響を定量的に検討した.軸方向変形に比例する軸方向力を受ける梁の実験を行い,部材モデルの妥当性を検証するとともに,加力条件に応じて部材の部材角と軸方向変形の関係を簡略に評価する方法を示した.ハイブリッド構造に関する日米共同研究の一環として,立体壁の静加力実験を行い,既往の強度式が適用可能であること,端部の配筋詳細により十分靭性のある挙動が期待できることを明らかにした.また,必要な変形能力に応じてヒンジ領域の拘束によって圧縮歪みを制御する配筋詳細設計法を提案した.鉄筋コンクリ−トの構成則にもとづき,地震応答解析に適用可能な簡便な耐震壁の部材モデルを開発し,変動軸力を受ける耐震壁の実験結果と比較して妥当性を検証した.