(分析 鈴木由希)
ガラス包有物には、形態によって2つ(球形、多角形状(脈状))に分類できる。ガラス包有物中のS はSO2 換算で0.1wt%から0.3wt%程度であり、ガラス包有物によって濃度に変化がある。石基ではS はほぼ完全に脱ガスしている。
石基のCl濃度はクレーターB由来の試料とクレーターC由来の試料とで明確な違いがみられた。
包有物中のS の変化は結晶の晶出した環境を、石基ガラスのCl の変化は噴出物の冷却過程を反映している可能性があり、今後の詳細な検討が必要である。
ガラス包有物中のS濃度が、この斜長石斑晶が由来した親マグマのS濃度を反映しているとすると、マグマ中のS濃度はSO2 換算で0.3wt%程度となる。これは、未分化な玄武岩質マグマのもつS濃度としておかしな値ではない。