1. 要旨
8/18噴出物と歴史時代の噴出物とを比較すると、1983年マグマよりももっとMgO の高い未分化なマグマ、例えば1712 年のような高MgOマグマに15%程度の斜長石を加えると、8/18 礫の組成とほぼ一致する。
このことから、8/18噴出物は、未知のマグマ溜りの上部の斜長石濃集領域に由来したものと考えることもできる。8/18噴出物については高温か低温かの議論もあるが、仮に噴出時に高温であったとするならば、もともと山体下に存在していたマグマ溜りに由来するか、あるいは、6月下旬に活動した1983タイプのマグマを押し退けて新たに上昇したマグマに由来したと考えることができよう。両者のいずれに由来するのかを、現段階(9/11までの噴出物観察)で判別することはできない。噴出物の組成の今後の推移を見守る必要がある。
2. 6/27海底噴出物について
3. 8/18山頂噴出物について
4. 三宅島の過去の噴出物との比較
東京大学地震研究所 マグマ研究グループ(マグマラボ&マグプロ)
(文責 安田 敦)
(Oct-13-2000)