構成鉱物の組成


4箇所のクレーターからの噴出物の鉱物組成に大きな差違はない。以下、斜長石と輝石の組成を示す。

微斑晶の斜長石はAn82-90のコアをもつ。リムのAn値は60-70で、石基微結晶の斜長石の組成に等しい。

輝石は数十μ以下のサイズで、ほとんどが20μ以下。急冷時に成長したと思われる樹枝状の結晶なども存在。反射電子線像でみてリムの組成がコアとは異なるものもあるが、EPMA分析できるほどのリムサイズは持 たない。反射電子線像で観察する限りコア部分のほうが明るく、FeあるいはCaに富むと思われる。

Mg#は60-70。Ca量に関してはばらつきも大きく、急冷成長の影響を受けていることを示唆している。

試みに、Lindsleyのpyroxene温度計上に投影してみると、やはり非平衡を示す粒子が多い。平衡な斜方輝石を欠くため正確な温度を決定することはできないが、組成の範囲からみて噴出前のマグマの温度は1100度程度。(平衡な組成を結んだ線は、左から1atm- 1200度、1atm- 1100度、1atm- 1000度)


戻る